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人生は大変だけど【話すおむすびの本棚#5】


“話すおむすびの本棚”では私が最近読んだ本について好き勝手に紹介します。
何でもアリな読書日記のようなものです。


ど~も~、おむすびです。

今回紹介する本は、こちらっ!

『重力ピエロ』(伊坂幸太郎)

です。

この本は、異父兄弟である兄の泉水と弟の春の周りで起こる連続放火事件の謎を解いていく物語。
事件は現場近くに出現するグラフィティアートがカギを握りそうで……?
謎解明と共に見えてくる事件の真実。そして兄弟、家族への思い。
ラストには驚きと感動が待っている小説です。

2人の血が半分しかつながっていない理由。
それは、弟の春は母親が強姦に襲われた末に生まれた子だから
つまり春には強姦魔の血が流れているわけです。
家族の間でこの話はなんとなくタブーとなっていましたが、連続放火事件に迫るうちに春の複雑な心境が見えてきます。

特に印象的だったのは泉水の父親、春の育ての父親が発したこの言葉。

「正解なんてないんだろうな」

重力ピエロ(伊坂幸太郎)

春の出生について話していたとき。
生まれてきたことは果たしてよかったのか、悪かったのか。
レイプ事件に遭わなければ生まれていない春。
生きているということはレイプ事件の事実を認めることになるわけで。
それでも父は産むことを決断し、たくさんの愛情を注いできた。
この選択が正解だったのかはわからない
わからないけれど正解だったと思って生きていくしかないんだろうな、と思います。

人生にはいろんな選択があって、進んだ道が大変なことはたくさんある。
春のように自分が生きていることにさえ苦しめられることもあるかもしれない。
それでもどうにかこうにかやっていくしかない。
どうせなら大変なことも楽しんでやる!くらいのスタンスで生きてみたいなと思いました(笑)

謎解きとしても面白い、ステキな言葉もたくさんの作品でした。
読むときには読了後すぐさま冒頭に戻って読み返すことをおすすめします。
思わず震えが走りました。
どういう意味かは読んだらわかるはずですよ。

それでは、またね~。