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書籍#16.”Atomic Habits”~身に付けたい習慣、やめたい習慣はありますか~

 ジェームズ・クリアー氏の『Atomic Habits:ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』は50以上の言語に翻訳され、計1000万部以上を売り上げた世界的ベストセラーです。

 本書は、大きな成果(Remarkable Results)は日々の小さな変化(Tiny changes)によって導かれること、またどのようにしたらその小さな変化を習慣化できるかについて語っています。


おすすめの人

 習慣化に関する本書は、新しく何かを始めたい人やめたい習慣がある人に適しています。また単に方法論を提示するだけでなく、それらがなぜ重要なのかを科学的な研究成果と実例を用いて解説しているため、生物学、神経科学、哲学、心理学などの学術的観点から人間の心や行動を理解したい人にもおすすめです。さらには、本書の内容を自分が習慣的に行っていること(またはやりたいのに続かないこと)と比較することで、なぜそれを日常的に行っているのか(または行っていないのか)を分析できるため、自己分析に興味のある方にも推薦できる一冊です。

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ポイントは継続するシステムの構築

If you’re having trouble changing your habits, the problem isn’t you. The problem is your system.

Clear, James. Atomic Habits (p.27). Penguin Publishing Group. Kindle 版.

 著者曰く、ある行動を習慣化させるために重要なのは目標設定や忍耐力などではなく、継続するシステムの構築です。

◆習慣化の4ステップ

 人間の習慣は「1.きっかけ(Cue)→2.欲求(Craving)→3.反応(Response)→4.報酬(Reward)」の4段階に分かれます。どれが欠けても習慣化には至りません。

 たとえば、朝食で家族が飲んでいるコーヒーの香りがきっかけとなって、コーヒーを飲みたいという欲求が生まれ、それに反応してコーヒーを淹れて飲むという行動が起き、結果的に、忙しい時間帯に一呼吸置いて、寝ぼけた脳を覚ますという報酬を受け取ります。この経験から得たコーヒーは良いものだという学びは将来のきっかけ作りや欲求に繋がり、行動が繰り返されることで習慣となります。

◆行動変化の4つの法則

 ここで重要なのが「1.明確さ(Make it obvious)」「2.魅力(Make it attractive)」「3.易しさ(Make it easy)」「4.満足(Make it satisfying)」の4つの法則で、それぞれ上記の各段階に対応しています。

 たとえば毎朝コーヒーを楽しむ家族がいる場合、そうでない場合と比べて行動のきっかけとなりやすいです(明確さ)。また人によっては、クッキーやチョコレートがあるとコーヒーをより楽しめるでしょう(魅力)。忙しい時間帯は、豆から挽くよりもインスタントのドリップコーヒーの方が手軽でしょうし(易しさ)、コーヒーを飲むことで嗅覚と味覚が満たされ、さらには脳が覚醒されて仕事の効率が上がったと感じれば(満足)、その後は無意識にコーヒーを飲みたいと思うようになるでしょう。

 これは言い換えると、そうしたいと強く思っているのに習慣化できない理由は、この4つの法則のどこかに問題があるということです。だからこそ、問題はあなたではなく、システムなのです。

 見方を変えれば、この4つの要素を弱めることで、やめられなかった習慣をやめられるようにもなります。コーヒーをやめたい場合は家にコーヒーを置かないこと、カフェインが身体に与える悪影響を学ぶことが役立つでしょう。

 上記以外にも、アイデンティティの重要性や一流とそうでない人の違い、行動に磨きを掛けてレベルアップする方法も語っているので、興味のある方はご一読ください。

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この本を読んだのは、再び絵を描きたいと思ったから

 去年末から絵を描く習慣を身に付けたいと、強く思うようになりました。理由は単純で、絵を上手に描きたいと思ったし、もっといろんな絵を描きたいと思ったからです。

絵を描きながら生きる人生、すんごく楽しそう。

心の声

 実は2年ほど前はほぼ毎日、どれだけ忙しくても、いや、忙しい時にこそ好きな時間を削ってなるものかと意固地になって絵を描いていました。それなのに、ある日から急に描かなくなりました。

 数年前から、ジェームズ・クリアー氏のメルマガを購読していました。と言っても毎週届くメールを読むことはほとんどなく、死ぬまで絵を描き続けるぞと決めてから、改めてメルマガに目を通し、”Atomic Habits”を購入したのです。

 せっかくなので、習慣付けるために始めたことをいくつかご紹介したいと思います。

 まず、絵を描く専用デスクには、常に鉛筆と用紙を置くようにしました(明確さ・易しさ)。終わった後も整理整頓はしますが、イーゼルを片付けたりはしません。日々の行動目標は、絵を描くことではなく、デスクに座って鉛筆を持ち、オンライン学習サイトの Skillshare にアクセスすることです(易しさ)。著者は2分以内にできることから始めるよう勧めていますが、これは数十秒でできます。また、新たにカレンダーを置きました。絵を描いた・練習した日には✕印を付けます(明確さ・魅力・満足)。これで何日間絵を描いたか進捗が確認できますし、継続にも繋がります。

 本書を読んで、個人的に一番印象的だったのはこの言葉です。

Never miss twice.

Clear, James. Atomic Habits (p.201). Penguin Publishing Group. Kindle 版.

 私は描くことを一度休んだことで、続けること自体をやめてしまったのだと思いました。

 思いがけない出来事が起こるのが人生です。一度やらなかったり、できなかったりするのは問題ではありません。それよりも一度サボったことで自分はダメだと決めつけて、二度と行動しないことが問題なのです。三日坊主だと思っても、また始めればいいのです。三日どころか一日坊主ですって? それでもまた、2分以内にできる行動から始めればいいのです。

 ――と学んだところで、実際に継続できるでしょうか。

 結局できませんでしたとはならないように、note に進捗報告でもしようかなあ・・・・とか、考え中です。

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