韓国料理#01. 冷麺(냉면)とマッククス(막국수)の違いを調べてみた
韓国の代表的な料理の一つ、冷麺(냉면)。コシのある細い麺に、出汁の効いた冷たいスープ。麺の上にある茹で卵は欠かせません。
そんな冷麺に似た料理で、マッククス(막국수)という料理があります。今回はそのふたつの違いについて書きたいと思います。
冷麺(냉면)
<平壌冷麺>(Wikipediaより)
きっと多くの人が持つ冷麺のイメージはこんな感じではないでしょうか。このようにスープが入った冷麺を水冷麺(물냉면)といいます。
そして、こちらはビビン冷麺(비빔냉면)です。
スープはほとんどなく(右上にシャーベット状の出汁が少しあるだけ)、コチュジャンベースの甘酸っぱいピリ辛ソースで食べるのが特徴です。
ビビンバと同じく、混ぜて食べるため「ビビン冷麺」といいます。
スーパーに行くと、このようにパックに入った冷麺を購入することができるため、家でも手軽に楽しむことができます。
マッククス(막국수)
冷麺と非常によく似た食べ物で、マッククス(막국수)があります。見ても分かる通り、冷麺と何が違うのか全く分かりません。
マッククス(막국수)を Naver 韓日辞書で調べると「混ぜそば」と出てきます。しかし、どう見ても冷麺です。しかも、マッククスにも水マッククス(물막국수)とビビンマッククス(비빔막국수)があります。
同じじゃん。
実際に食べてみても、なんとなく違う気はするのですが、一体何が違うのかよく分かりません。
ということで、調べてみました。
◆冷麺とマッククスの違い
1.発祥地と発展
まず基本的な違いとして、冷麺は平壌を中心とした北朝鮮発祥の料理で、マッククスは蕎麦の産地である江原道地域の郷土料理だそうです。
冷麺は近代以前から広く知られていたました。また、料理として決まった形があり、どちらかというと高級な印象があるそうです。
一方のマッククスは、80年代に入ってから全国的に知られ始めた料理で、冷麺よりも庶民的な食べ物という印象があります。これといって決まった形がないのも特徴で、お店ごとのバリエーションが豊富だそうです。
2.麺
一番の違いとしてよく挙げられるのが、麺です。
冷麺の麺は蕎麦の実の外皮を取り除き、中の白い部分だけを綺麗に挽いて作った蕎麦粉を使っています。対するマッククスは、外皮を除かずに挽いた蕎麦粉を利用しているので、麺の色がより黒っぽいのが特徴です。
これは、マッククスという名前からも読み取れます。
マッククスのマッ(막)には、「むやみに、やたらに、見境なく、やみくもに」という意味があり、これは「やみくもに蕎麦粉を挽く」から来ているといわれています。
そのほかの工程、「蕎麦粉に小麦粉や澱粉を入れて十分にこねてから麺にして茹でる」というのは冷麺もマッククスも同じだそうです。この蕎麦粉、小麦粉、澱粉の割合は、作り手によって変わってきます。
3.スープ
スープに関して、冷麺では牛肉などから取った出汁を使うことが多いですが、マッククスではトンチミ(동치미)などの水キムチを使うことが多いといわれています。
ただ、トンチミを使ったトンチミ冷麺(동치미냉면)があったり、また、お店によっては肉から取った出汁を使うマッククスもあるようなので、必ずしも当てはまるわけではないようです。
ということは、結局料理としての違いは麺だけですかね~(むむ)。
<トンチミ(동치미)>(Wikipediaより)
◆ビビンマッククス(비빔막국수)
最後に、以前食べたビビンマッククス(비빔막국수)をご紹介します。
冷麺との違いを知ってから改めて麺を見てみると、確かに色が濃いです。具にはキャベツ、サンチュ、ニンジン、ほぐしたゆで卵が入っているほか、ゴマや細かく刻んだピーナッツも入っていて、冷麺よりも具の種類が多彩なことが分かります。
このお店の特徴は、麺を手で混ぜること。マッククスと一緒にビニールの手袋を渡されます。
お店の方曰く、「この方がよく混ざる」。
そりゃ、そうだ。
はい、よく混ざりました。
◆◆◆
ちなみに私はマッククスよりも冷麺、特にビビン冷麺派です。
ではでは。
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