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こんなに美しい曲があるんだなと思っていたらクリシュナ神のマントラだった

 そのとき私はラオスにいて、ベッドの上で、ごろごろ~ごろごろ~していました。土曜日の夜だったと思います。この曲に出会いました。


曲:Om Namo Bhagavate Vāsudevāya

 音楽が流れだしてすぐに、何て綺麗で美しい曲なのだろうと思いました。楽器が奏でる音も、美しく響き渡る透明感ある歌声も、すべてが一体となって空間を包み込みます。

 私は繰り返し聴きました。

 聴けば聴くほど、穏やかで温かい安寧が、体中に染みわたっていきます。

 そして自分の周りで何か大きく偉大なものが渦巻いているのを感じると、少しずつその中に吸い込まれていき、それまではあった自分という境界線が薄まり、自分の存在が中和されて消えていくのを感じたのです。自分が消滅するわけではありません。決して恐怖を感じるようなものでもありません。ただゆっくりと、心地良く、周りの空間と一体化していくような感覚です。

 これが感動というのでしょうか。


 ああ、まさにここに在るものすべてが完璧なんだ。

 そう感じました。

 今この瞬間がもう既に完璧なのだと、こころの底から深く感じるのです。

 そのような気分になったときは「これから良いことがたくさん起きる!」とか、「自分は絶対に幸せになる!」なんて言葉はまやかしなのだと感じます。幸せは未来にはない、今に在る、いえ、今にしかないのです。

 「小さな幸せを見つける」なんて言葉すらも、滑稽に感じてしまいます。幸せに大小なんてないのです。それはただの錯覚です。どんな幸せもすべては愛の化身です。それを小さいなんて、どうか呼ばないであげて下さいな。

 そんなことを感じさせてくれる一曲です。


Deva Premal & Miten Band

Deva Premal & Miten are modern nomads on a mission to share with humanity the medicine of mantra.

 この曲を歌うのは、Deva Premal & Miten Band です。

 ホームページの紹介によると、彼女たちは「マントラによる癒しを人類と共有する使命を背負う現代の遊牧民」だそうです。
 まあ、なんて素敵な表現だこと。


歌詞:Om Namo Bhagavate Vāsudevāya

 曲名にもなっている Om Namo Bhagavate Vāsudevāya がこの曲の歌詞です。これはヒンドゥー教のマントラで、クリシュナ神を讃える聖なる言葉と言われています。この曲では、この短いマントラを何度も繰り返します。


Om Namo Bhagavate Vāsudevāya
オーム ナモー バガヴァーテ ヴァースデーヴァーヤ


 このマントラの意味は、次のように訳されます。

「神聖なヴァースデーヴァ神(クリシュナ)に敬意を捧げます」
JIVAMUNKTI YOGA より)

Om:オーム(聖音)
Namo:礼、敬礼
Bhagavate:神
Vāsudevāya:ヴァースデーヴァ神(クリシュナの別名)


 ヒンドゥー教においてシヴァ神とともに高い人気を誇るクリシュナは、

「…全てのものを魅了するヴィシュヌ神の化身として知られています。化身とは、自らの意思で精神世界から物質世界へと降りてきたもののことです。ヴィシュヌ神は、世界が必要としている時にバランスをもたらしてくれる生命の維持神・保護神です。彼は1000以上の名前を持っていて、私たちに神を思い出すこと、神と繋がることを思い出させてくれます」
JIVAMUNKTI YOGA より抜粋)


Om Namo Bhagavate Vāsudevāya - Deva Premal & Miten Band


 こころが洗われる、素敵な一曲です。

 興味のある方は、ぜひ聴いてみてください。おすすめです。

 ではでは😊

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