ややこしかった年齢が変わるかも①
「年齢はただの数字に過ぎない」とクールに言い放ちたいところですが、韓国で生活をしているとそう簡単には割り切れません。儒教の教えが根強く残るこの社会では、年齢が人間関係に大きく関わってきます。年上か年下かによって、言葉遣いは無論、期待される行動も変わるため、初対面で互いの年齢を確認するのはよくあることです。
この文化をよく反映しているのがマンネ(막내)です。K-POP好きの方は「〇〇はグループのマンネ」という言葉を耳にすることが多いと思います。これは「末っ子」という意味で、グループ内の一番年下のメンバーに対して使われます。ちなみに、BTSのジョングクは黄金マンネ(황금 막내)と呼ばれているそうですね。
このように韓国社会では年齢がとても重要ですが、現在使われている年齢の計算方法は複数あり、外国人からすると非常にややこしいのが現状です。今回から2回に渡って、それが2023年から簡素化されるかもしれないという話をお伝えます。
◆年齢の数え方
韓国では数え年を使うとご存じの方もいるかとは思いますが、厳密にいうと、現在使用されている年齢の計算方法は3つあります。
1.満年齢(만 나이/マン ナイ)
生まれた日から最初の1年を0歳とし、その後誕生日が来る度に1歳ずつ年を重ねます。いわゆる実年齢がこれに当たります。基本的には法律に関わること、例えば身分証明や公式書類で使われます。
(例)2000年2月1日生まれ→2022年1月1日、満21歳(만21세)
2.とし年齢(年年齢/연 나이/ヨン ナイ)
満年齢と同じく0歳から始まりますが、誕生日に関係なく1月1日が来る度に1歳ずつ加算されます。つまり、あなたも私もみんな一緒に1月1日に1歳ずつ年を取ります。これは青少年保護法と民防衛基本法、兵役法で適用されています(나무위키)。
(例)2000年2月1日生まれ→2022年1月1日、22歳(연22세)
3.数え年(세는 나이/セヌン ナイ)
命は胎内にいるときから育まれているという考えを基に、生まれた時点での年齢を1歳とし、その後は誕生日に関係なく1月1日に1歳ずつ年を取るのが数え年です。現在では誕生日に陰暦を用いる人は少なくなりましたが、本来は陰暦を基準とした計算方法です。
(例)2000年2月1日生まれ→2022年1月1日、23歳(23살)
数え年は日常生活で使われていますが、実年齢との差が大きくなりやすい特徴があります。例えば12月31日に生まれた場合、生まれた日の年齢は1歳ですが、翌日1月1日には2歳になります。生まれて2日目の赤ん坊が既に2歳だなんて、なかなか理解に苦しみます。
◆早生まれの人は注意
さらに、早生まれの人は注意が必要です。韓国では新学年が3月1日から始まるため、ここでいう早生まれは1月と2月生まれになります(※)。
この間に生まれた人は前年に生まれた人と同学年になるため、年齢も前年生まれの人と同じ年齢になります。
例えば2000年2月生まれの場合、2022年は数え年で23歳に当たりますが、日常生活で使う年齢は1999年生まれの人と同じ24歳になります。数え年では23歳だけど、日常で使うのは24歳・・・で、書類上は22歳ーー。
非常にややこしい。
◆数えるのは諦めた
私は2月生まれなので、年齢を訊かれるのが本当に煩わしかったです。
実は韓国でも、外国人が多く集まる国際的な場面では実年齢(※)を使います。またそうではない場面でも、外国人には気を使って実年齢で尋ねる人もいて、言い換えると、日常生活でも場面や相手によって訊かれている年齢が変わります。
これでは自分の年齢を覚える気にはなりません。
もちろん質問される度に計算するのは面倒くさいので、韓国人に年を訊かれたら「84年生まれ(84년생)です。早生まれ(빠른이)ですが」と答えるようになりました。
韓国では年齢を尋ねる際に、「何歳ですか?(몇 살이세요?)」だけでなく「何年生まれですか?(몇 년생이세요?)」と表現することが多いです。そのため、この答え方が最も楽で、誤解も生まれません。
(次回に続く)
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