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#88 上位交差症候群とは何ぞや?

皆さん、上位交差症候群という言葉は
聞いたことはありますでしょうか?

上位交差症候群
(じょういこうさしょうこうぐん)とは、
チェコのブラディミア・ヤンダ教授
によって発表されましたものになります。

患者様のの姿勢・状態によって、
緊張して短縮しやすい筋肉グループ
伸ばされて筋力低下しやすい筋肉グループが
上半身の前面と後面に
X字にクロスした状態で存在し、
筋肉バランスの機能障害が
起こるとされることをいいます。

上位交差症候群は、
主に座っていることが多い
デスクワークの方や学生、
うつむいて仕事をしている方に
多くみられます。

緊張して短縮しやすい筋肉グループと
伸ばされて筋力低下しやすい筋肉グループは
以下の筋肉たちになります。

【緊張して短縮しやすい筋肉グループ】

・僧帽筋上部
・肩甲挙筋
・後頭下筋群
・胸鎖乳突筋
・斜角筋
・大胸筋
・小胸筋

【伸ばされて筋力低下しやすい
筋肉グループ】

・頚部屈筋群
・僧帽筋中部・下部
・菱形筋
・前鋸筋

上位交差症候群になってしまう
要因としましては
肩甲骨を引き寄せる作用の
菱形筋などが働かず、
肩甲骨を外転、肩を前方に
引っ張る作用がある
小胸筋などが過度に
働いてしまいますと、
巻き肩などの不良姿勢
になってしまいます。

また、この状態が
長く続いてしまいますと
胸椎の後弯が強くなり
猫背になってしまいます。

上位交差症候群では、
下記の部分に機能障害が
起こると言われています。

①環椎後頭関節
②第4、5頚椎椎間関節
③頚胸椎移行部
④肩甲上腕関節
⑤第4、5胸椎椎間関節

大・小胸筋に異常があり
緊張して短縮していると、
拮抗筋である僧帽筋中部線維や菱形筋が
抑制されてしまい、筋力低下する形で
相反抑制が働くことになってしまいます。

上位交差症候群の対処法、
アプローチ方法としましては
シンプルに考えていきますと
緊張して短縮しやすい
筋肉グループは緩めていき、
伸ばされて筋力低下しやすい
筋肉グループは鍛えていく
流れになります。

この中で、骨盤の前傾、後傾が
組み合わさってしまっている場合ですと
こちらのほうもアプローチ
していく形になります。

身体は、部分だけ良くすれば
いいわけではございませんが、
まずはできることからご自身のお身体と
向き合っていただければと思います。