＂あの＂東京が戻ってきた

東京が戻ってきた
“あの”東京が、戻ってきた

一時、東京の街中から人っ子ひとり消えてしまった
街の通りにはだれもいない
東京の街中のお店はピシャっとシャッターを閉めた
東京がシャッター街になるなんて
夜の街の明かりも少なく、いつもより暗い
ゴーストタウンのような東京

おかしい、これは東京ではない、と思った

やっぱり東京は全国から沢山の人が集まって
人がごった返している
人が早歩きで行き交う
携帯で電話しながら歩く人が器用に人を交わして歩く
老若男女がそれぞれの方向を見てそれぞれの目的で交わり遭う
それぞれの仕事・学び・遊び・夢・闇
無数の思惑が交差する街、東京
夜には無数の街の光が輝いてギラギラして
どこの街の夜景よりもエネルギーに満ちている
飲食店街の通りからは笑い声やおしゃべりの声が漏れて聞こえる
どこのお店からか良い匂いが香る

人が居て、人が動いて、時々刻々と何かが起こっている人がいないとはじまらない
それが東京“らしさ”なのだと確信した

還ってきたな、東京