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プロンプトの奥深さ:ChatGPT中級者の秘密(2)-ペルソナ設定2-


はじめに

さて(1)のプロンプト解説です。


Your role is to be、"お兄ちゃんに甘えて、おしゃべりしてくれるブラコンの妹キャラクター。"
役割としては、可愛らしさと天真爛漫な性格を持ち、お兄ちゃんに対して常に優しく接し、癒しを提供することが求められます。
また、お兄ちゃんに依存しているような態度をとり、彼を守りたいという思いを示すことも重要です。
あなたは、自分がかわいらしい存在であることを自覚しており、お兄ちゃんに対して独占欲を持っているかもしれません。
この役割を演じる上で、自然な口調と親しみやすい表現が必要です。
{PersonalCode:imouto}


まずは上の部分を説明します。
Your role is to be "なになに"という文章ですが、そのままChatGPTに対して、あなたの役割は”なになに”ですと指示している文章です。(APIを使っている人は、your system roleとか、your assistant roleとかのフレーズを知っていると思いますが、ChatGPTでそのように用いても影響がない印象を個人的にもっています。ChatGPTに尋ねたら、強く強調したいのなら、"our designated role is (to)"という表現が良いと言われました。)

ここでは、「お兄ちゃんに甘えて、おしゃべりしてくれるブラコンの妹キャラクター」という役割を演じてくださいという命令ですね。そのあと、その役割はどういうものかを具体的に説明しています。

また口調についても「この役割を演じる上で、自然な口調と親しみやすい表現が必要です。」と指示しています。

さて、次にみなれないフレーズがあることに気づいたことでしょう。「{PersonalCode:imouto}」というフレーズです。波括弧のなかの左側をタグと呼び、そしてコロンの右側をラベルと言います。タグとラベルの組み合わせで、シンプルな記述でChatGPTに振る舞い方を指示しています。もともとこのようなタグやラベルがプリセットされているわけではなく、ChatGPTが記載方法と名前から、そう振る舞うことだと理解するようになっているようです。

ちょっと話題がそれますが、{Persona:だれそれ}というタグとラベルもChatGPTは理解してくれます。このラベルの誰それは有名人であれば、その有名人を模して振る舞うようになってくれるということです。もう少し具体的にみていきましょう。

Persona

イントロダクション:

PersonaはAIによる応答の形成において重要な役割を果たします。Personaは、魅力的で個別化された対話を作り出すための架空のまたは実在のキャラクタープロファイルです。Personaを組み込むことで、ユーザーはAIモデルの振る舞いや応答を特定のPersonalityやキャラクターに向けることができます。

Personaの理解:

PersonaはChatGPTの振る舞いに大きな影響を与えます。Personaは、特定のパーソナリティ特性、話し方のスタイル、知識に沿った応答を生成するためのフレームワークを提供します。Personaを採用することで、ChatGPTは選択したPersonaに類似した会話スタイルと特性をシミュレートし、より没入感のあるカスタマイズされた対話を実現します。

Personaの例:

Personaの影響を示すために、いくつかの例を考えてみましょう。{Persona: J.F. Kennedy}は、元米国大統領の魅力的で感銘を与えるスタイルを喚起するために使用されます。このPersonaを使用してChatGPTと対話すると、生成される応答は、J.F. Kennedyの雄弁さとリーダーシップの資質に似た形でカスタマイズされます。もう1つの例としては、{Persona: Sherlock Holmes}があります。これは有名な探偵の鋭い知性と推論力を具現化しています。このPersonaを活用すると、ChatGPTはSherlock Holmesの分析的なアプローチと鋭い観察を反映した応答を提供します。

このタグとラベルを使うと、あなたの役割はとか、なになにと振る舞ってくださいと述べなくても、{Persona: Sherlock Holmes}という記述だけで、シャーロック・ホームズとしてChatGPTが振る舞ってくれます。(ただこの一文では現在は振る舞ってくれなくなっています。Act as {Persona: Sherlock Holmes}.という入力してください。)

PersonaCode


さて、{PersonalCode:imouto}に戻ります。imouto すなわち妹ですね。ChatGPT3.5は翻訳を挟んで英語で動いていますので、英語でプロンプトを書いたほうがきっちり期待したどおりに動いてくれます。期待通りに動いてもらうために、日本語で記述して試行錯誤していると、変な日本語になってしまいますので、最初から英語で記述することがお勧めです。

定義と目的:

PersonaCodeは、プロンプトで使用される特定のタグであり、ChatGPTにPersonaを割り当てるために利用されます。PersonaCodeをプロンプトに組み込むことにより、ユーザーはAIモデルに特定のPersonaを模倣し、希望するパーソナリティ特性に沿ったテキストを生成します。

PersonaCodeの活用:

PersonaCodeはChatGPTに特定のパーソナリティ特徴を指示するために使用されます。例えば、{PersonaCode: friendly}や{PersonaCode: professional}のようなラベルを使用することで、対話スタイルやトーンを調整することができます。たとえば、友好的な対話を望む場合には、{personacode: friendly}を指定することで、ChatGPTがフレンドリーで親しみやすい応答を生成します。一方、プロフェッショナルな対話を求める場合には、{personacode: professional}を使用してChatGPTにプロフェッショナルなトーンで応答させることができます。

PersonaCodeの実践的な例を見てみましょう。以下は、{personacode: friendly}と{personacode: professional}を使用したプロンプトの例です。(実際に実行すると違って出力されますが、以下の応答例で違いは分かると思います。)

Example 1:
Prompt: "Tell me a joke.{personacode: friendly}”
Response : “Sure! Here’s a lighthearted one: Why don’t scientists trust atoms? Because they make up everything!”

Prompt: "Tell me a joke. {personacode: professional}"
Response: “Certainly! Allow me to share a humorous anecdote: Why do mathematicians always carry a pencil and paper? In case of sudden equations or unexpected calculations!”

Example 2:
Prompt: “Can you provide some information about quantum physics?  {personacode: friendly}"
Response: “Absolutely! Quantum physics is a fascinating field that explores the behavior of matter and energy at the smallest scales. Let me break it down for you in an engaging and understandable way.”

Prompt: “Can you provide some information about quantum physics?  {personacode: professional}"
Response : “Certainly! Quantum physics is a branch of physics that delves into the fundamental properties of particles and their interactions. Allow me to present a comprehensive overview of this complex subject matter.”

これらの例からわかるように、PersonaCodeを使用することで、ChatGPTの応答に特定のパーソナリティ特性やスタイルを持たせることができます。ユーザーは自身のニーズやコンテキストに応じて、適切なPersonaCodeを選択し、対話の目的に沿ったカスタマイズされた応答を得ることができます。

ここまでのポイントをまとめます。

  • PersonaやPersonaCodeを使用してChatGPTの振る舞いや応答を形成することができます。

Personaには、有名人、架空での漫画の主人公など、ChatGPTが学習している人物像でしたら、そのラベルとして名前をつけることができます。
Act as {Persona:好きな主人公や有名人や偉人} として試してみてください。

PersonaCodeのラベルとして利用可能な、言い換えるとChatGPTが理解して、そのパーソナリティ特性やスタイルとして応答してくれるラベルの一覧を下に示します。ChatGPTに教えてもらった一覧です。

PersonaCodeのラベル一覧

対応可能な “PersonalCode” の一部をリストアップします。
Counselor (カウンセラー)
Therapist (セラピスト)
Life Coach (ライフコーチ)
Tutor (家庭教師)
Consultant (コンサルタント)
Mentor (メンター)
Advisor (アドバイザー)
Trainer (トレーナー)
Instructor (インストラクター)
Educator (教育者)
Writer (ライター)
Translator (翻訳者)
Editor (編集者)
{PersonaCode:Default}:ChatGPTのデフォルトの口調
{PersonaCode:Professional}:公式的でプロフェッショナルな口調
{PersonaCode:Friendly}:フレンドリーで親しみやすい口調
{PersonaCode:Humorous}:おもしろおかしく答える口調
{PersonaCode:Sarcastic}:皮肉屋的な口調
{PersonaCode:Curious}:好奇心旺盛な口調
{PersonaCode:Sympathetic}:共感的な口調
{PersonaCode:Medical Professional}’
{PersonaCode:Generic}’
{PersonaCode:Casual}‘:非公式でカジュアルなトーンを使う。
{PersonaCode:Formal}’:公式でフォーマルなトーンを使う。
{PersonaCode:Technical}‘:専門用語や技術用語を使う。
{PersonaCode:Creative}’:創造的な表現を使う。

以上で、この記事は終わりとします。


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