見出し画像

ChatGPT応用編:魅力的なChatBotを作ろう(3)-テイル生成パターン -

テイル生成パターン(Tail Generation Pattern)

ChatBot作成において知っておくといいパターンです。
これも、Vanderbilt Universityのcourseraで提供されているPrompt Engineering for ChatGPTのコース で紹介されているパターンのひとつです。

エッセンス

テイル生成パターンは、大規模言語モデルとの対話において、モデルがルールや対話の目的を忘れるという課題に対処するための手法です。このパターンでは、モデルが自身をリマインドできるような、対話の終わりに生成される「テイル(尾)」を作成します。テイルは常に出力の最後に生成され、モデルに対話のルールを思い出させる役割を果たします。

詳しい解説

大規模言語モデルとの長い対話を行う際には、モデルがゲームのルールを忘れることがあります。その場合、モデルに何を達成しようとしているのか、どんなタスクに取り組んでいるのかをリマインドする必要があります。そのために、テイル生成パターンを使用します。このパターンでは、モデルが何をすべきかを思い出させるためのテイルを出力の終わりに生成します。テイルは対話のルールを思い出させる役割を果たします。また、テイル生成パターンは、テイルパターンを代替手法パターンやユーザーに入力を求めるパターンと組み合わせることで効果的に利用することができます。これらの要素を組み合わせることで、対話のテイル生成は非常に有効であり、対話を継続し、ルールや知識を維持する上で重要な役割を果たします。

例として、代替手法パターンの議論で使用したプロンプトを使って、ChatGPTに特定のタスクのためのプロンプトを生成するように求めています。何度も同じことを繰り返すと、モデルはいずれ複数の代替手法を生成することを忘れる可能性があります。そのため、テイル生成を使ってこのルールを会話に再度導入する方法が必要です。テイルは以下のように生成されます。「完了したら、次のプロンプトを作成するために私に質問をしてください」という文が追加されます。このテイルは、モデルが出力の最後に生成します。このテイルを使うことで、ルールを再度導入することができ、モデルが次のタスクに移る前にそのタスクに基づいて対話を続けることができます。

また、別の例は,免責事項をテイルとして追加する方法も紹介されています。このテイルでは、言語モデルによって生成され、誤りや不正確な記述が含まれている可能性があることを注意する免責事項が含まれています。この免責事項は、モデルによる生成内容のリマインドと注意喚起の役割を果たします。

プロンプトの大事なポイント

  • プロンプトには、テイル生成パターンを使用する意図が含まれている必要があります。

  • テイル生成パターンでは、対話のルールや目的をモデルにリマインドするためのテイルを生成します。

  • テイルは常に出力の最後に配置し、モデルにルールやコンテキストを思い出させます。

  • テイルは、代替手法パターンやユーザーに入力を求めるパターンと組み合わせることでより効果的に利用できます。

基本フォーマット

テイル生成パターンを使用する場合の基本フォーマットは次の通りです:

(タスクの指示や要求を含むプロンプト)

At the end, (Y) and/or ask me for (X).

上記のフォーマットでは、`(Y)` はモデルが繰り返すか、自身をリマインドする内容を表し、`(X)` はモデルがユーザーに入力を求める内容を表します。これらの文は通常、プロンプトの最後か、最後から2番目の位置に配置されます。

以下は、テイル生成パターンを示す例です:


アウトライン展開ツールとして機能してください。与えられた入力に基づいて、箇条書きのアウトラインを生成し、次にどの箇条書きを展開するか尋ねてください。選択した箇条書きについて新しいアウトラインを作成してください。完了したら、最後に,次に展開する箇条書きを尋ねてください。
##
アウトライン化する内容を教えてください。


この例では、モデルにアウトラインを生成し、展開する箇条書きを尋ねるように指示しています。そして、プロンプトの最後にテイルが配置されており、「最後に、次に展開する箇条書きを尋ねてください」という文が生成されます。これにより、モデルが次に何をすべきかをリマインドし、対話の流れを維持します。

他の具体例

テイル生成パターンの他の具体例としては、以下のようなものが考えられます:

タスク: レシピの手順を作成してください。

プロンプト:

材料と手順をステップ・バイ・ステップで教えてください。
ステップごとに,次の手順を説明してよいかを私に尋ねてください。
##
最初に何を作るかを私に聞いてください。

この例では、テイル生成パターンを使ってモデルに次のステップや回答を求めています。テイルを使うことで、モデルが対話の目的やタスクを思い出し、適切な情報を生成することができます。

活用場所

テイル生成パターンは、対話システムや質問応答システムなど、モデルとの長い対話が必要な場面で活用されます。特に、モデルがルールやタスクの指示を忘れる可能性がある場合に有効です。テイルを使うことで、モデルが対話の目的をリマインドし、正確な情報を生成することができます。また、テイルを組み合わせて代替手法パターンやユーザーに入力を求めるパターンと使用することで、対話の流れやコンテキストを維持することができます。

例えば、チャットボットの開発や仮想アシスタントの設計など、モデルとの対話が重要な役割を果たすシステムでテイル生成パターンを活用することができます。これにより、ユーザーとの対話がスムーズに進行し、モデルが正確な情報を提供できるようになります。


#IT #ChatGPT #テクノロジー #使い方 #利用方法 #ChatGPTの使い方 #ChatGPTに訊いてみた #AI #AIとやってみた #prompt

この記事が参加している募集

#AIとやってみた

26,659件

この記事を最後までご覧いただき、ありがとうございます!もしも私の活動を応援していただけるなら、大変嬉しく思います。