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音楽・写真の歴史

宇宙観に基づく数学的なヨーロッパ中世の音楽への考え方は、西洋音楽への基礎と感じます。ルネサンス期に三度進行の発見により、基準の音を変化させることで調性が生まれます。バロック時代には12平均律が整います。12平均律はド#やレ♭の違いを平均化して同等の音とみなし、1オクターヴを12の半音で構成するものです。一方で古典派・ロマン派といった流れの中で自由な感性が追究され、今現在西洋音楽以外の世界の民族音楽の再評価がなされています。ジョン・ケージは作品「4分33秒」で音楽とはすべての音であることを示しました。以上講義「音楽宇宙論の世界」放送大学、レポートより改変。様々なリベラルアーツ、即ち自然・社会・人間科学の総合が背景にあり、その上で歴史を知ることは、自らの位置を知ることです※1。長く絵画が続く歴史の中で、写真発明はニエプス、ダゲールから生まれ、ほぼ同時期にタルボットのネガ・ポジ法から複製が可能となりました。絞りの数値を表すアンセル・アダムズらによる「f/64」グループの美学は、スティーグリッツやアジェらの記録によるストレートフォトを基礎に、その上に個性的な内面を表出したものです。写真の内容の探究の一方、アンセル・アダムズによるゾーンシステムなどメカニズムの探究が、絵画とは異なる機械性に基づく写真研究のもうひとつの一面ではないでしょうか。写真はその意味で表現と技法の追究の歴史です。写真は絵画から絵画の影響を離れ、記録性による写真独自のリアリズムに目覚め、実験的な表現技法創作を経て、報道での投げ掛けといった役割の中で、科学的な複写という視覚として新たな物事への見方を提示しているのでしょうか。以上藝術学舎授業「7つのキーワードから読み解く「写真史」」京都芸術大学、レポートより改変。

※1:タカザワ・ケンジ先生(京都芸術大学)、谷悟先生(大阪芸術大学)より。

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