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【LtG Story vol.9】自己肯定感を高めて、 もっと自分が好きになる社会へ(Founder 松永智教)

こんにちは! LtG Startup Studio広報です。

LtG Startup Studioに関わるファウンダーやメンターの方のバックグラウンド、スタートアップに対する想いを、インタビュー形式でお届けしている『LtG Story』。今回登場するのは、ボランティアのマッチングサービス『AVS』を立ち上げた、松永智教さん。大手企業で働く社員という立場で、スタートアップに挑戦している松永さんのストーリーに迫ります!

松永智教(まつなが・とものり)/ 1975年愛媛県生まれ 
趣味:バレーボールを続けるスポーツ好き
キヤノン(株)にて、プリンター開発に従事していたが、2018年に経済産業省 『始動 Next Innovator 2018』に選出された事をキッカケとして、
AVS事業の立ち上げを目指して行動し始める。
2020年より、キヤノンにて新規事業インキュベーターと働きながら、
ユニソック合同会社にてAVS事業立ち上げという二刀流にチャレンジ中。

「やりたいことがない」典型的なマインドセットからのスタート


ーー松永さんは、新卒で今の会社に就職されたんですよね。どのような経緯で起業に至ったんですか?

今振り返ると、学生時代から自分のやりたいことがわからない、典型的な「ダメなやつ」だったんですよね。進路選択も、自分ではあまり考えずに
親の価値観に合わせてました。大学時代は特にひどくて、理系の学部だったんですが研究室にはあまり行かずに、サッカーや麻雀に明け暮れて、ほとんど勉強はしませんでした。

ーーでも、そこからCanonに新卒で就職されたんですよね。

はい。よくぞこんな自堕落な学生を採用してくれたと思います(笑)。Canonは今も働いている会社なんですが、当時はそこまで人気企業ではなかったという状況もありました。たまたまご縁があって入社して、プリンターの設計や開発の仕事に携わりました。入社をしてみたら、「やりがい」を感じ試行錯誤しながら、社内でも様々なプロジェクトに携わっています。

ーーなるほど。起業を意識し始めたのは、いつ頃からですか?

経済産業省とJETRO(独立行政法人日本貿易振興機構)が主催している『始動 Next Innovator』というプログラムがあって、そこに4期生として参加したことがきっかけになりました。
娘が車椅子生活をしており、その関係から、当時NPOを作ろうとしてたんです。先輩から「始動にチャレンジしてみたら?」と薦められていたのと、NPOの資料も作っていたので「プロのアドバイスはどんなもんか?」と軽い気持ちで『始動』にエントリーしました。

ーー実際のプロのアドバイスは、いかがでしたか?

ボコボコにされて、意気消沈しました(笑)「マネタイズ」とか、事業をつくるのに必要な基本的な概念がほとんどよく分かってないところからのスタートでしたからね。当時の自分は、本当に未熟だったなと思います。唯一、身に付いたのは、『Thinker to Doer』 (考えるよりも行動せよ)でした。

ボランティアとの出会い


ーー娘さんが車椅子とのことでしたが、最初にNPOの事業をやろうと思ったきっかけは、娘さんの存在が大きかったんでしょうか?

そうですね。娘は、10万人に1人レベルのとても珍しい先天性の心臓系の病気を患っていて、赤ちゃんの時に受けた手術の影響で、幼少期から車椅子の生活を送っています。スポーツ好きな私は、娘にもスポーツをさせてやりたいと思いました。
健常児と同じ様に、障がい児にも週末にスポーツする環境があっても良いと思い、4年前に障がい者向けスポーツクラブを立ち上げました。
主催者としては月1回の開催が限界ですが、毎週末に参加させてあげたいと思いました。そこで、主催者の立場で感じた課題が、ボランティアスタッフ集めでした。この課題を解決すれば、他の主催者が現れ、開催頻度を増やせるんじゃないか?と思いまして。そんな背景から、今取り組んでいるボランティアマッチングサービスの構想が始まりました。

ーー会社員という立場で、『始動』に参加したりLtGで事業を進めたり、松永さんの凄まじい行動力にはそんな背景があったのですね。

自分の娘がきっかけですからね。事業を進める根本的な動機や意義はブレようがないんで、そこは一つあるかもしれないですね。
でも、その他にも実感しているエピソードはあって。スポーツクラブに、ある日ひきこもりになってしまった中学3年生の男の子が来始めたんですが、スポーツクラブでのボランティア活動を続けているうちに、半年後には学校に通えるようになったんです。ボランティア活動を通じて「自分が社会に役立っているのがわかる」というこの「体験」には、とても価値があるんだなって、そのとき強く実感しましたね。

大事なのは、自ら行動して得た自己肯定感。


ーーLtGで、ボランティアマッチングサービスの本格的な事業化を進めているわけですが、率直にLtGでの活動はいかがですか?

とても充実しています。特にメンターからのフィードバックや、ネットワークの存在は大きいですね。実は最初は「メンターなんか要らないよ!」と思ってて...。でも、中に入って色々なメンターの方とディスカッションをしていくうちに、自分の考えや、事業の戦略が洗練されてきました。

最初は、ふわっとした「綺麗なイメージ」でボランティア事業の価値を説明していたんです。ボランティアって、みんなができることではないし、「ボランティアしている人はかっこ良くて、尊敬されます!」みたいなニュアンスで、その魅力を訴求していました。あとなんとなく「ボランティアで金稼ぐのはけしからん!」みたいなイメージも気にして、ビジネスとしての収益性も考えきれていませんでした。
でもLtGでメンターのアドバイスを頂く中で、その本質的な価値の認識を改めました。日本では、無償で他に貢献する体験という定義ですが、世界基準では、有償無償という議論はなく、主体的に行動する体験という定義のみです。やっぱり大切なのは、他人より「自分」ですよね、と。自ら行動し、自己肯定感・自己満足感を高めるための手段の一つとしてボランティアって良いよね、という整理にしたら、事業としての在り方がスッキリ見えてきたんです。

ーーなるほど。企業や行政を巻き込む動きも、LtGにいるからこそ加速してきた形ですか?


そうですね。社員の自己肯定感が高まったら、企業側も嬉しいじゃないですか。だから、ボランティアを通したリアル体験によって、社員が成長する研修として、企業に投資してもらえないかなと思って営業しているところです。行政に対しても、引きこもり対策とか、既存の課題や取り組んでいる施策の中で、私たちのボランティアのプラットフォームを利活用して頂けないかなと、提案してます。

企業に対しても、行政に対しても、河田CEOはじめ、LtGの皆さんの強力なネットワークがあるので、トントン拍子に紹介してもらえて話を進めることが出来ています。ここまでの動きや戦略は、LtGに入る前は出来なかったことですから、わかりやすいLtGの価値だと思います。

ボランティアを可視化するサービスAVS

ーー最後に、これからLtGに入ろうと考えている起業家の方に向けて、メッセージをお願いします!

LtGには、自分のチャレンジが加速する、素晴らしい人や環境が揃っています。でも、そこからカタチにできるかどうかは自分次第。
現在進行系で私も日々痛感していることですが、実績や前例のないことを始めるというのは大変です(笑)全員が応援してくれる人ばかりではないし、想定していなかった障害や課題もたくさん出てきます。
でも諦めずに、自分の軸を持って、粘り強く行動しつづければ、きっと成果はついてくるはず。私もまだ挑戦の途中ですが、一緒に挑戦できる仲間がLtGに入ってきてくれると嬉しいです!

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