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“よもぎつぶあん”の思い出

大人になったなぁと実感する出来事の1つは、こしあんよりも”つぶあん”を好きになったことです。

大学4回生だった2014年。この年、絶対的こしあん派だったぼくは、運命的な出会いを2つ経験しました。アルバイトで一緒になった女の子と付き合ったこと。”よもぎつぶあん”に出会ったこと。

今日は、「#ご当地グルメ」を見てパッと浮かんだお団子のことを思い出しながら、「大人になったなぁ」というはなしをします。

ぜひ煎茶を淹れて、みずみずしい香りを楽しみながら、ごゆっくりお楽しみください。

✅湯快リゾートで1泊2日のバス旅行

彼女と付き合ってまもなく、1泊2日の旅行に行くことになりました。若者の温泉旅行の強い味方、「湯快リゾート」のバスツアー

ぼくたちは、石川県加賀市にある「山中温泉」に行きました。季節はもう3月というのに、まだしっかりと雪が残っているような、凛とした空気が漂っているところでした。

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彼女とは、大学構内のアルバイトで知り合いました。インターンシップを検討している学生に、経験者として相談に乗るという仕事。

学生がブースに来ない時間はすることもなく、同じ時間にシフトに入っていた彼女とよく話しました。「へー、結構自炊するんだ」なんて思った記憶があります。


付き合って3ヶ月くらいのぼくたちにとって、初めての旅行。朝、京都駅のバスターミナルを出発して、15時前には目的地に到着しました。

夕食までは時間があり、温泉街をぶらりぶらりと見て回りました。

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✅こしあん派、離党

温泉街を歩いていると、ふと香ばしい醤油の香りが。ふらっと立ち寄ってみると、焼きたてのお団子が味わえるというお店がありました。

手焼きせんべい・だんごの「ここや」さん。

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注文を受けてから焼くというお団子は、全部で8種類。みたらし・しょうゆなどの定番の味から、黒ゴマを使った甘だれなんてものも。

だいたい定番+何かを選びがちなぼくは、みたらしと残るもう1本を決めかねていました。

そこでみつけた、”よもぎつぶあん”。「こしあんじゃないんかぁ」と少し肩を落とすぼくに、彼女は言いました。


「つぶあん、ぜっったいおいしいよ!」


こうしてぼくは、これまで身を置いてきたこしあんの一派を飛び出して、つぶあん派の門戸を叩いたのであります。

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まず彼女が一口。そして次はぼくの番です。疑いの目を向けながら、ゆっくりと一口。

…お、おいしい!おいしいぞ!!

こしあんのダイレクトな甘さとは違い、小豆の皮のワンクッションが上品な甘さを演出します。食べ応えがあって、素材の本来の持ち味が活かされているような、ぽってりとした食感がたまりません…。

今ではもう、こしあんだとなんだか物足りない気がする、というほどに、つぶあんに魅了されてしまいました


✅2021年、つぶあんを探す旅

2人でつぶあんを食べたぼくと彼女は昨年、6年の交際期間を経て結婚しました。

結婚生活、というよりも、はじめての2人暮らしで変わったことがありました。今まで1人で食べてたものが、2人で食べたくなるんです。

じゃがりこ、雪見だいふく、新作のコンビニスイーツ、じゃがりこ、職場でもらったおしゃれなカステラ、じゃがりこ、じゃがりこ、じゃがりこ。

2人で見つけた至高のスイーツもあります。スシローの、北海道ミルクレープメルバ。

そして、今まで食べたことのない商品やフレーバーが出ると、これも2人で食べたくなります。お菓子だけではありません。今まであまり食べてこなかった野菜、使ったことのない調味料、聞いたことない名前のお刺身。試してみよう!と意気込んで、感動することも、失敗することも。


“よもぎつぶあん”ほどの運命的な出会いは少ないですが、小さい、ほんとに小さい発見が毎日あります。


この時期なので、新婚旅行にも行けていないぼくたちですが、毎日新たな”つぶあん”を探す旅をたのしんでいます。

「#ご当地グルメ」を見て、お互いに大学生だった妻との旅行と、一緒に食べた”よもぎつぶあん”を思い出しました。

あれからもう7年。今年でぼくらも30歳。
大人になったなぁ、なんて思いながら、淹れたての煎茶をすすっているのであります。


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