人といてやわらいだ世界
「このハイライト、あの人のブルベの肌に似合うよな。」
「これ、あの人の好きな青、だろうか。ちょっと緑っぽいかな?」
私の頭がつぶやくとき、いつの間にか他の誰かがそこ加わっていることに最近気づいた。
ひとりでいるのに、私の世界にはひっそりとした温かさが存在している。
それは変化と呼ぶには些細なことで、あまりに曖昧かもしれないが。
ずっと他人を思考回路に入れることが怖かった。
思い描く他人は、いつだって強くて、攻撃的で、異物を見るように遠くから顔をしかめている。
人との関わりの