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どーも たぬおです🌈

最近運動不足もあり
真夜中から明け方くらいにかけての時間に
ふらふらと歩いたりしています。

夜中に歩くのはカラダに染み付いた習慣や習性みたいなもので

実家にいた頃よくオヤジや、かーちゃんとケンカして、「出て行け帰ってくるな」とか言われてました。殴られて、ごちゃごちゃ言われるのがイヤでウザくて、それを避けるため自ら逃げるように家を飛び出してました。こんなことが小学校高学年くらいから高校卒業くらいまでけっこう頻繁にあり
その体験から夜、外に出たくなったりするのかもしれません。

実家は熊本で住宅街でしたがやはり田舎なので23時くらいになるとシーンと静まりかえり虫の鳴き声だけがこだまします。
空を見上げると零れ落ちそうな星が自分を見守るかのように輝き
その空間がさっきまで殺意や怒りで煮えたぎる自分自身の感情をゆっくり優しく冷まし少し落ち着きを与えてくれてました。

取り立てやることも何もないので、ふと自分自身を見つめ直し、それを何度も経験したことで
何かの拍子に自身を見つめ直す事が自分の習慣、習性に自然となっていったのかもしれません。

真夜中に歩いているとふと「ゆかり」のことを思い出す時がある。

ゆかりとの出会いは保育園の時であったが、オレが保育園時代に思い出すことは
若くて美人という印象で記憶に残っている丸山先生に恋心のようなものが少しあったことと
粘土で、ち○ぽ🚀や女のコのおしり💓や宇宙戦艦ヤマトやタイムボカンのメカなどを作り遊んだことくらいで

ゆかりのことなどは正直覚えていなかった。

それから月日が経ち中学一年の2学期
今の実家に引っ越し、転校して数日が経った時だった。


「たぬおじゃなかね(たぬおじゃないの?)」同じクラスのショートヘアーの女の娘が突然話しかけてきた。
「え!!」
いきなり下の名前呼び捨てかよ
とオレは内心思いながら

「やっぱたぬおばぁい!(やっぱりたぬおだ!)」
「久しぶり元気しとったー(元気にしてたー)」
「アタシたいゆかり覚えとらんね?(アタシだよゆかり覚えてない?)」
顔をちゃんと見返したとき笑顔がいいなと思ったが、オレは「ぽっかーん??アンタところで誰」状態

「かっぱ保育園の時一緒だったとよ(かっぱ保育園時、同じ組だったよ)」
立て続けに話す笑顔の元気なショートヘアー
そしてオレのふんわりした感じの掴んでいない空気を読み取り

「なーんね覚えとらんとー😭(何だ覚えてないのー」
少し笑顔がくずれる。

オレは「かっぱ保育園」というワードは引っかかったので、その時同じ組だったのかー
くらいは認識できたので
「あーそぎゃんだったんね(あーそうだったのか)」
ふんわりした返事をし

「たぬおは保育園の時、女ん子の髪の毛ひっぱたり、スカートばめくったりして、よーちょっかいば出しよったよ(よくちょっかいを出してたよ)」
「わたしもよーやられたもん(わたもよくやらたれよ)」
嫌だった言うより楽しかった思い出のような感じで、ゆかりはまた笑顔になり、天使の輪のような艶々のショートヘアーをキラキラさせながら話していた。

ちなみに、たぬお本人は言われて、ちょっかいは出してたかもしれない(ゆかりかどうかは定かではない)と何となく、その事実は認めた。

その後もゆかりは、よく声をかけてくれて転校してきたばかりの自分にはとても心強くありがたかった。

ゆかりの家は自分とこの近所で新聞販売所を営んでおり
当時、新聞配達の仕事は中学生もいて
小遣い多めに欲しいヤツとか家の生活を助けるためとか様々な理由で自分の同級生や高校に行ってる先輩とかも、そこで働いていた。

ゆかりはたまに手伝いをしていてバレンタインデーなどの時なんかは配達員全員にチョコをプレゼントしたりする親孝行で気配りできる娘だった。

ある日の夜またいつものように親子ケンカをぶちかまし、19時か20時くらいだったと思ういつもの夜の散歩に出てる時だった。

「おーいたぬお!!」

塾から帰ってくるゆかりだった。
突然声かけられ声は出さなかったがかなり驚いた。

「なんやゆかりや!塾帰りや?(なんだゆかりか塾の帰り?)」

「うん!たぬおは、こんな時間になんばしょっと?(こんな時間に何してるの?)」

「散歩ばぁい散歩(散歩だよ)」
ケンカしてイライラしてるのは秒でどっかに飛んていき
ケンカして飛びだしたことがバレないよう振る舞おうとする。

「そぎゃんね(そうなんだ)」
と言いながら、ゆかりは無邪気にまたいつもの笑顔を見せながらオレの二の腕を軽くタッチする。
その瞬間であるオヤジの鉄拳をクラったのがその二の腕だっため激痛がはしった。

「あー!!クソがークソオヤジがー」
激痛を感じると、そこから来る怒りの感情をぶつけるようにオレは叫び
左の二の腕を押さえた。

「たぬお、ごめん大丈夫?何があったんね(何があったの)」
と驚きながらもオレを気づかうことを忘れない癒してくれてるような気遣いを見せてくれる。優しい声だ。

オレはその言葉をかけられた後
ケンカしてオヤジに殴られたことなど
気持ちを、ゆかりにぶちまけ
彼女は黙ってオレの話しを聞いていた。

晩飯の途中でケンカになり
飯もろくに食べないまま飛び出し
ゆかりに話してたら安心したのか急にお腹が「ぐ〜」っとなった。

「たぬお一緒にごはん食べようよ家に来なっせ(家に来なよ)」
と、ゆかりは笑顔でオレの顔覗き込むようにして言った。

「よかよか気使わんでよかけん(いいよいいよ気を使わなくて)」
「それよっかもう遅かけん家まで送ってやっけん帰れ(それよりもう遅いから送ってやるから家に帰れ)」
時間の経つのもわすれ話していたオレは少し落ち着いて、遅い時間になってるだろうと気づく。
感謝と女の子一人は危ないかなと思う気持ちで、ゆかりに言った。

ゆかりの家に近づくと
帰りが遅くなって心配して玄関の前で立ってるゆかりのかーちゃんがいて、ゆかりのオヤジさんは、ゆかりを探しに出ていた。

「ゆかりーどぎゃんしたんね心配したよ(何してたの心配したよ)」
ゆかりの母は安心した表情を見せながら言った。

「ごめん、ちょっとたぬおと話しとったら遅くなったと(話してたら)」
ゆかりは、やっぱり笑顔だ。

「すんまっせん迷惑かけてから失礼します。んじゃなゆかり、ありがとうない(すみません迷惑かけて、ありがとうな)」
なんかバツが悪かったので
さっさとその場を去りたくて、ゆかりとゆかりの母と目も合わさず、おじぎをした。

帰ろうと背を向けたその瞬間だった。

「たぬお一緒に食べよう、ごはん食べようよ」
ゆかりのいつも人を元気にして癒すような声だった。

オレがその瞬間どんな気持ちになったのかは覚えていない。
ただ嬉しかったのは間違いなかった。

「たぬおくんごはん食べとらんとね?(食べてないの?)」
ゆかりの母もやっぱりどことなくゆかりと同じ雰囲気をだしていた。

「そぎゃん気つかわんでよかです(そんなに気を使わなくていいです)」
しかしオレの顔はニヤケてたと思う。
(なんだもうごちそうになる気マンマンかオレ!!w)

「来なっせ(おいで)」
と言いながら、ゆかりは自分の背中を両手で優しく押してくれて家に連れていってくれた。

確か晩飯はカレーで、それとは別にカツとコロッケ(クリームコロッケだったかも)が別皿にあり、そのカツやコロッケをカレーに乗せて食べるもよし
ソースをかけて別に食べるもよしの
スゴく豪勢なカレーで

ルーとごはんは多少多めに残ってはいたが
ゆかりは、ほんの気持ち程度のごはんと二切れくらいのカツカレーで、かなりオレに気を使っていた。
後の残りをオレが食べる。
(普通に1人前以上の量)
そんな感じでゆかりが一人で食べるはずであったカレーを二人で分かち合いいただいた。

ゆかり家族の優しさとゆかりの気遣い、思いやりに溢れたカレーで、泣きそうなくらい美味かったのを今でも思い出す。

こんな事があって中学時代は親子ゲンカしたらたまに、ゆかりの家に世話になるようになり。

いつ行っても歓迎ムードがスゴくて
ゆかりの家の扉が開いた瞬間から
さっきまで殺意や怒り剥き出しだったオレは居なくなり
温かさに包まれ穏やかになる少年たぬおがそこにいた。


後編へ続く


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