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文学フリマ36で連れ帰った作品を読む

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2023年5月21日の文学フリマ東京36で連れて帰って来た作品の感想など書いています。
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文学フリマ36で連れ帰った作品を読むーその1 あられ工場『ひなの巣』

文学フリマ36で連れ帰った作品を読むーその1 あられ工場『ひなの巣』

全13篇の詩は、この「ひなの巣」を舞台に綴られている。冬から始まり初夏を経て新しい年まで、季節のうつろいとともに「ひなの巣」に集う人々の何気ない日常の一コマ一コマ。読み進むにつれて、頭の中に「ひなの巣」が徐々に形づくられていく。

印象的なのは、どの詩にも「ひなの巣」の説明があって、それはいつも「ひなの巣」が「ふきよせ」を作る部署だということなのだが、まるで食事をする際の箸置きのように、あるべき場

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