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毛皮のコート〜ハッピー・ママ
私が小学生5〜6年生の頃のこと。
お休みの日は母とよくデパートへ行った。母は洋服を見るのが大好きで、その日は洋服売り場を歩いているうちに毛皮コーナーに入り込んだ。
そこで店員さんがすかさず寄ってきて
「こちらお似合いになりますよ、
羽織ってみるだけでもいかがですか」
と毛皮のコートを勧めてきた。当時はフェイクの毛皮などはなく、毛皮はどれも何十万円もする高級品だった。だから私の周りには毛皮を持ってる人など誰もいなかった。
私は、こんな高級品を売りつけられたら大変なことになる!と子供心にとても焦った。
そしてこわごわとママを見上げると、ママは涼しい顔をしてこう言った。
「家に何枚も持ってるから、いらないの」
店員さん、言葉を失う。
私、目が点になる。
えっ?家に毛皮はないよ、と心の中で消えるような声で言った😆
その後、ママと私がどんな会話をしたか記憶ないけど、小学生だった私はとてもびっくりして、正直なママの意外な一面を見たと強く印象に残った出来事でした。
RIE
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