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成田悠輔氏の発言を『過剰可視化社会』から考察してみた。

最近、ネット上で
燃えているのは気のせいでしょうか。

スシローなどの飲食店の迷惑動画が話題ですが、
とりわけインパクトが大きいのは、
「高齢者の集団自決」と
物騒な表現をした成田悠輔氏の発言です。

・他人事とは思えない

ここしばらくの間、
ホロコースト文学を読んでいたのもあるので
背筋の凍る思いでこのニュースを見ました。

「特定の集団に属する人間を排除した結果」が
ナチ政権によるホロコーストだと思ってます。
この対象が日本の高齢者に向かっているような気がしてなりません。

「自分の老いた両親、祖父母に言えるのか」と
想像力のなさに驚き呆れました。

彼を支持している人の意見を見ると
「高齢者医療に対して不満を感じる若年層が、声にあげるようになってきた。タブー視されなくなってきている」と感じました。

・炎上から思い出した書籍

一連の炎上を見て、ある書籍を思い出しました。
『過剰可視化社会』で著者と対談した
人類学者の磯野真穂氏の発言です。

※リンク先の記事では、触れていません。

その中で、
「ハレとケ」の区分ができなくなっていると指摘。
「ハレ」は祭りなどの非日常、「ケ」は日常です。

コロナ禍で祭りなどイベントが中止になりました。
「ハレ」がなくなり、「ケ」のみに。

その状況を見た磯野氏は、
「人間がその状態に耐えられるのか」
感じたそうです。

「ハレ」の消失の事例を次のように語りました。
・一部の医療従事者が反ワクチンを主張するアカウントに対して攻撃する。
・宣言解除後に、酔っ払って川に飛び込む人が出ている。

ネット上の炎上も、
消失した「ハレ」を補うために
起こっているのではないかと感じました。

・類似事件はこれからも

「ハレ」の消失から起こっているなら、
今後も炎上を狙う発信者が出てくるだろうと予想。

「集団自決」発言も、
成田氏がある程度メディアに出て知名度があったからここまで話題になりました。
更にニューヨークタイムズで取り上げられたため、
世界中に広まることになりました。

「炎上するなら何でもあり」と
発信する人がいることを頭に入れて、
いちいち反応しないのが一番とすら思えてきます。

以上、ちえでした。
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