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他人に人生を委ねた結果【ワーニャ伯父さん】チェーホフ著 浦雅春訳

車検のため、数日間代車のお世話になった私。
代車にBluetoothの機能はありません。
使える音楽プレイヤーはCDかラジオくらい。

何を考えたのか、
この日はラジオを聴くことにしました。
その時、偶然流れてきたのが「メロディアスライブラリー
文学作品を紹介しているラジオ番組です。
このとき初めて聴きました。

この日の放送が『ワーニャ伯父さん』
このラジオ番組でこの本の存在を知りました。

そもそも物語の舞台が1880年代のロシア。
『罪と罰』とか 『カラマーゾフの兄弟』とか、
読んだことがない私。
時代も国も違うので、イメージしづらかったです。


しかし、ラジオから流れる解説を聞いて、「 もう少し詳しく読んでみようかな」と思いました。


・身内のために働いてきた人生

「自分の人生なんだったんだろう?」
大学の教授をしていたセレブリャコフのために
土地を守り、せっせと働いてきたワーニャ伯父さん。
彼から見たら、セレブリャコフは妹の夫です。

「あんなもののために自分の人生をムダにしてしまった」と後悔が漂ってくる話です。

人生に絶望したワーニャ伯父さんは、
町医者のアーストロフからモルヒネを盗んで自殺を試みました。
しかし、それすらもできませんでした。
「60歳まで生きるとしたら、あと13年何をして生きたらいいのか」

・思い出した家族の話

今は病院に入院しているので、会えなくなってしまった祖母のことを思い出しました。

まだ入院する前の話です。
やりたいことも やるべきこともなく、
ただ時間が過ぎるのを待っているだけの祖母。

この頃、高血圧の治療で薬を飲んでました。
その薬の副作用なのか
「足がポッポする」とよく言ってました。

夢中になるものも、考えることも何もなかった祖母。自分の体調、子供と孫以外で考えることはありません。

以前、祖父が大きな病気になり、治療が必要になった時も、本人よりも祖母の方が体調悪くなったぐらいです。

あまりにも神経質で心配性な祖母を見て
両親から「私たちの心配事はおじいちゃんとおばあちゃんには絶対言ったらダメ。倒れてしまう」と言ってたぐらいです。
私や兄が転職してる時は、厳重注意でした。 

・他人に人生を捧げた結果

ワーニャ伯父さんのこのセリフから、
このことを思い出してしまいました。

セレブャコフのことを
「素晴らしい教授になる」と期待していて、
そのために尽くしてきたのに裏切られたような 気持ちになってました。

自分の人生を生きずに誰かに期待して尽くす人生は、 相手が自分の期待通りに行かないと裏切られた気分になると考えさせられました。

なんだかんだ言っても、自分の人生は自分で舵取りをするしかないと教訓になりました。

・生きていきましょう。

最後に、ワーニャ伯父さんの姪であるソーニャから
「ワーニャ伯父さん、生きていきましょう」という一言が重く響きました。

やりたいことをやり尽くした人生でも、
だた死を待つだけの人生を送っていても、
結局最後まで、天寿を全うしないといけないのかと思いました。

どうせなら、「思い残すことはない」と言って
人生を終えたいです。

以上、ちえでした。
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