他人なのに気づかない【ジャクソンひとり】安堂ホセ著

自分とかけ離れた
アフリカ系の人の話というのもあり、
覗き見してる気分で読みました。
更に彼らは同性愛者なので、
「知らない世界」そのものです。

同性に対して恋愛対象としてみなすことが
肌感覚でわからないのもあります。
そういう人たち向けのポルノが存在するのにも
驚かされました。

恋愛間のトラブルは異性愛者と
さほど変わらないと感じました。

・あらすじ

主人公はジャクソン。アフリカのどこかの国と日本のミックスでゲイです。
かつてモデルをやっていましたが、
今はジムで整体師をやっています。

ある日、彼のもとにQRコードのついた
ロンティーが送られてきます。
そのQRコードを読み取ると動画が流れてきます。
見た人たちからジャクソンと思われてしまいます。

そこから、「この映像は自分だ」と
主張する男性がジャクソン以外に3人現れます。
母国から来たジェリン、
自分のポルノ映像を
有料ファンサイトで流すイブキ、
イブキの友人であるエックス。
ジェリン以外はブラックミックスの日本人です。

この4人でQRコード付きのTシャツを
送った人間を突き止めることになりました。

・気づかない！？

あるアニメを見ていた4人。
ジャクソンから
「俺たちも入れ替わっちゃう〜？」と提案。

入れ替わって、
それぞれ復讐することにしました。

復讐されてる側は、
入れ替わってることに気づきません。

・ミステリー小説のようだ

純文学の作品なのに、
「彼らにQRコード付きのロンティーを送ったのは誰だろうか」と謎解きを楽しめました。

よくわからないまま終わるかと思いきや、
ここだけは伏線回収してました。

・感想

「入れ替わっても気づかないのか」
途中からは入れ替わって復讐するので、
見た目と実際にいる人間が誰か整理しながら
読まないとわからなくなりました。

「あれ？エックスが出てるかと思いきや、
エックスになりすましたイブキだった」と
なることもあります。

私自身日本人で、周りの人間も日本人ばかり。
自分と見た目の違う人種の人を
個別に判別できないことを気付かされました。

もし他の国に行ったら
明らかに別人でも、
日本人(アジア人？)ってだけで
判断されるだろうかと考えました。

以上、ちえでした。
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ジャクソンひとり