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芥川賞候補作から学ぶ「人のせいにしてばかりの人に幸せが訪れない理由」【アイスネルワイゼン】三木三奈著

「他人のせいにしてばかり」
主人公の琴音の様子を見て、そう感じました。

友人である小林からの頼み事を断れずに
引き受けた仕事からトラブルに発展。
小林に文句を言ってるシーンを見て
「引き受けた自分の責任でもあるのでは?」と
思わずにいられませんでした。

他責思考ゆえにあらゆる人間関係が
上手くいかないのかもと思ったくらいです。


・自分の人生を生きていない

母親や小林とのやり取りを見て、好きなようにされているように見えました。

その場で「No」を言わず、
後からブツブツ文句を言ってる描写が目立ちます。

母親については電話での会話で
母親自身の発言は触れられていません。
しかし、琴音の発言から大体何を言っているのか想像できました。

母親との会話を読んで
「私が幸せになれないのはお母さんのせい」と雰囲気がにじみ出そうでした。

・似た者同士が引き寄せられる

小林と琴音が電話で喧嘩しているのを見て
「似た者同士が引き寄せられる」と感じました。

琴音は小林に対して「金の亡者」、
小林は琴音に対して「サイコパス」
「嘘つきで感情がない」と罵り合います。
お互いを罵り合う者同士が引き合ってます。

琴音が車の運転が苦手なことを知ってて、
運転することを黙っていた小林に対して
「それは反則じゃない?」と思います。
しかもちゃっかり手数料まで取ってます。

それに対して、小林も琴音に対して
他人の気持ちに共感できない人間と指摘。

高校時代、家族が経営してた会社が破産になり
大学にいけなくなった友人が落ち込んでいた時のエピソードに触れます。
「近くにいた男の子と楽しそうに話してた。人の気持ちに共感できないんだね」

似たものが集まったとしか思いませんでした。

・感想

上手くいかないことを他人のせいにしていると
こんなに生きづらくなると感じました。

決めたのは自分なのに、小林に対して「騙された」と言っているのを見て、「なぜ断らなかったのか」と疑問です。

「あの人のステージに出て顔を売っておけば、仕事が増えるかもよ」と言葉巧みに引き受けさせようとしました。
そこからして、「他人軸」と思いました。

もし、「自分の経験値や能力が上がる」なら、
「自分軸」になるでしょう。
それでも、自分の内側から湧き出ないと「他人軸」なのは変わりませんが。

人任せで、他人のせいにしてばかりいる人は
幸せになれないと学びになりました。

以上、ちえでした。
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