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「来る」監督:中島哲也/2018

こんなお話

幼少期に謎の怪物“ぼぎわん"に遭遇した田原秀樹。 社会人になって、家庭を持った彼の元に謎の訪問者が現れて以来、彼の周りで不可思議な怪奇現象が起こる。


レビュー

公開当時、賛否両論があったという本作。
中島哲也が撮るホラーって、さてどんなものなのか・・・。

で、蓋を開けてみたら、ホラーというより、ちゃんとしっかり中島映画!!

原作は“あれ”の正体やら取り憑く理由なんかが明確になっているらしいんですが、この映画では“あれ”はどこまでも抽象的であって、それよりも「人間の二面性」や「人間の本性」がメイン。

業の恐ろしさ、得体のしれない恐怖に直面した時の人間という生き物、“あれ”に取り憑かれることで露わになる人間の本性は、ある意味“あれ”なんかよりも断然おそろしいし、おぞましい。

前作「渇き」も相当観ていてしんどい作品でしたが、この「来る」も戦慄の恐怖・・・人間の闇が多いだけに、メンタルにきますね。

単なるホラーの枠におさまらない、作家性爆発の新ジャンルのホラーに仕上げてくるとは・・・さすが中島哲也です。

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個人的にはブッキー演じる田原のエセイクメンぶりが、もう気持ち悪くて気持ち悪くて胸糞悪かったw

主演は一応(?)岡田君ということになっているようですが、津田演じる青木崇高や霊媒師を演じる柴田理恵など脇役のキャストがめっちゃいい!柴田理恵はバラエティでしかあまり観たことがなかったので、演者としての彼女には驚かされました。

バラエティで活躍はされてますが、ちゃんとベテラン女優の風格ですね。

あと、先ほど「人間の恐ろしさがメイン」と書きましたが、壮大な除霊シーンをはじめ、腕もげた、肩が血みどろ、血しぶきブシャー、真っ暗な部屋になんか来る!!などなど・・・ホラー(スプラッター?)としての見どころも多く、一応そちらでもちゃんとビビらせてくれます。

ラストシーンや壮大な除霊シーンなど、原作と異なる点も多いみたいなので、原作もぜひ読んでみたくなりました。

じめじめした梅雨時期に、ホラーでひんやりするのも乙ですね〜。


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「来る」2018/東宝
<スタッフ>
監督:中島哲也
脚本:中島哲也、岩井秀人、門間宣裕
原作:澤村伊智「ぼぎわんが、来る」(角川ホラー文庫)
製作:市川南
エグゼクティブ・プロデューサー :山内章弘
企画・プロデュース:川村元気
撮影:岡村良憲
照明:高倉進、上野敦年
録音:矢野正人
美術:桑島十和子
装飾:西尾共未
<キャスト>
岡田准一
妻夫木聡
黒木華
志田愛珠
小松菜奈
松たか子
青木崇高
柴田理恵
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