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「ミッドナイト・クロス」監督:ブライアン・デ・パルマ/1981

こんなお話

フィラデルフィアに住む音響効果マンのジャックは、低予算のエクスプロイテーション映画で使う効果音を録るために川の畔りに来ていた。そして収録中、偶然自動車事故を目撃してしまう。ジャックは事故車に乗っていた女性サリーを救出し病院に搬送するが、同乗の男性は亡くなり、病院にて物々しい雰囲気に包まれる。ある人物にこの事故のことは忘れるようにと口止めされ、疑問に感じ始める。

マキネマレビュー

邦題は『ミッドナイトクロス』ですが、原題は『BLOW OUT』。

あれ?どっかで聞いたような。

そう、ミケランジェロ・アントニオーニの傑作『BLOW UP(邦題:欲望)』です。

「欲望」

タイトルのみならずストーリーもよく似ておりまして、それもそのはず。
ブライアン・デ・パルマ監督が『欲望』にインスパイアされて作った映画なんですってよ。

ただ「偶然にも殺人現場に出くわす」ところは確かに同じですが、テイストはまったくの別物。『欲望』でカギとなっていた「写真」が、本作では「音」に置き換わっていますしね。

たとえて言えば『欲望』がオートクチュールなら、『ミッドナイトクロス』はリアルクローズってな感じ?

サスペンス要素とラブストーリーをブラッシュアップさせることで、より娯楽性の高いストーリーになっています。

『欲望』のエッセンスが見事にブライアン・デ・パルマ流に料理されていますね。

ミステリアスでキュートなヒロイン、ホラー感たっぷりの猟奇的な殺人犯、徐々にひも解かれる真相。展開や見せ方がうまくて、最初から最後まで目が離せません。

そして切なすぎるラストの展開には、思わず涙・・・。

ちなみに、本作のラストについてタランティーノはこのように語ったのだとか。

「映画史上最も心を打つクロージング・ショットのひとつだ」

https://cinemore.jp/jp/erudition/736/article_737_p4.html#a737_p4_1

ラストまで、目が離せない一本です。



ミッドナイトクロス
1981/フィルムウェイズ

<スタッフ>
監督、脚本:ブライアン・デ・パルマ
製作:ジョージ・リットー
製作総指揮:フレッド・カルーソ
音楽:ピノ・ドナッジオ
撮影:ヴィルモス・ジグモンド
編集:ポール・ハーシュ

<キャスト>
ジョン・トラボルタ
ナンシー・アレン
ジョン・リスゴー
デニス・フランツ


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