カムカム英語

NHKの朝ドラ「カムカムエブリバディ」が今週で最終回を迎える。

毎朝出勤していたコロナ前は8時には家を出なくてはならなかったので朝ドラは観ていなかったが、コロナによるテレワークとなり、朝ドラを観るのが日課となってしまった。

今期はご存じ「カムカムエブリバディ」と言う、NHKラジオ英会話講座を軸にしたストーリーとなっている。しかも、最後のヒロインの「ひなた」ちゃんの年齢が私の一つ下。舞台は私の出身地でもある京都。時代の移り変わりも流行りの物も色々懐かしく楽しく観ている。

3世代に渡るヒロインたちはみんなNHKラジオ英会話講座でなかなかの英会話力を身に着けた、というストーリーだ。これに関しては「ラジオ講座を毎日聴いたくらいであんなにしゃべれるようになるわけがない」というのが大半の意見ではないかと思う。

だが、私は知っている。NHKラジオ英会話講座を20年聴き続けて素晴らしい英語力を培った人を。

今の仕事(日英通訳)に就く前、約25年間英語を教える仕事をしていた(英語の先生となったのは16歳の時)。下は2歳児から上は60歳代まで生徒の年齢は様々。ある日、40代のサラリーマンTさんが私のスクールの門を叩いた。当時大人の生徒には時事英語を教えていたのだが、Tさんはすでにリスニングもスピーキングも中級以上だったことを覚えている。なんと学生時代から毎日欠かさずNHKラジオ英会話を聴いて身に着けたそうだ。仕事で忙しいのでそれしかやっていない、特に他に勉強をしたりスクールにも通ったことは無く、とにかく英語が好きでラジオ講座を20年以上聴いている、ということだった。

そしてもう一人、ラジオ講座の恩恵に与った人がいる。私である。

通訳学校へ通っている当時、帰国子女でも海外留学経験者でもない私は、クラスメートに着いていくのに必死だった。そんな折、NHKラジオビジネス英語講座の存在を知り、徹底的にビニエットやフレーズを暗記した。

英検1級に合格し、通訳学校の同時通訳科を卒業し今があるのは、もちろん他の勉強もしていたが、60%はNHKラジオ講座のおかげと言っても過言ではない。

最初にラジオ英会話講座を聴き始めたのは中学3年生の時だった。高校に入学すると色々忙しくなって聴くのをやめた。ビジネス英語講座も、通訳学校を卒業した後聴いていなかったが、テレワークを機にまた聴くようになった。

更に、自粛で増えたおうち時間を利用し、NHKラジオフランス語講座を真剣に聴き、イタリア語、スペイン語、ドイツ語講座は家事をしながらBGM代わりに聴いている。

とまあこんな感じで、ひなたより1歳上のNHK語学講座大好きなばばちゃん57歳である。

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