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男性に依存する生き方

私が所属するNPO団体で支援している20歳の女の子話だ。
カラコンで紫メッシュの髪型とキラキラしたネイルをしている、今どきの綺麗な子。

彼女は中学校にほとんど通わず、家を飛び出し、男の家を転々とし、補導されたりして、親から縁を切られた。
今は風俗で働きながらシェアハウスで生活している。

風俗はやめて、昼間の仕事をしないかと大人たちが就労支援に何度も繋げたが、
長くは続かず、結局また風俗に戻ってしまう。
同じ彼氏とも、長く付き合ったことがない。
ただいつも男を切らさない。
シェアハウスに彼を呼んだり、自分が彼の部屋に入り浸ったり、
常に恋人とべったりしているように見えた。
初めは周囲もあたたかく見守っていた。仲が良くて、付き合いたての愛の強さに圧倒されながらも、今度は長く続いてほしい、と。
だか、1ヶ月後には違う男が出入りすることもあり、大人たちを驚かせた。
本人は、ちゃんと彼を好きで体を合わせている、というから、
会ったその日から付き合い、体を許すのが、今の時代の恋愛なのかと面食らってしまう。
会う前からSNSで恋に落ち、初対面でも当然の行為なのか、
こちらがわからなくなる。

風俗に戻るのも、もちろん経済的な理由が大きい。
昼間の仕事の人間関係のしんどさもある。
生まれつきの精神の病気も認められている。
家族環境も複雑だったのだろう。

彼女が自分らしくいられる場所。
それは、風俗と彼氏とファッション。
男性と肌を合わせていると精神が落ち着くようだ。

専門家が彼女と話をした中で、
男性依存だとか、性依存だとか、
トラウマからきているとか、原因を究明したり、こうした方がいいとか、どこかに修正しようとしていた。

彼女は今のままで彼女なのだ。
修正する必要はない。
男を取っ替え引っ替えして愛を感じられるのなら、
それが彼女の幸せなのだろうと私は思う。
避妊の知識も彼女はすでにあった。
もし妊娠したら、彼女の意思に寄り添おうとこっちも腹を決めている。

彼女から漂う妖艶さに、私も惹きつけられそうになった。
男性の方が、彼女を放っておかないのかもしれない。
彼女は自分らしい生き方を見つけている。
周りの大人たちが、それを受け入れ認める作業をしなければならないと、痛感した。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

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