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 「なかよし特急」

私が小学生のころ叔母に買ってもらい何度も読んだ本です。作者はもう亡くなりましたが阿川弘之氏(1920-2015)

阿川弘之氏は広島県出身で1942年(昭和17年)に海軍に入隊しています。

戦後、作家として志賀直哉に師事して小説を書き始めました。
主な作品は「春の城」「山本五十六」「南蛮阿房列車」など多数あります。

ほかの小説などは目にしても、なぜかこの「なかよし特急」はあまり見ることがなかったように思います。

発行所は中央公論社でした。(昭和34年発行)
物語は特急「こだま」とかブルートレインの「あさかぜ」がデビューして間もない頃のお話。東海道新幹線の建設が具体的な話題になる遥か前の物語です。

そして阿川弘之氏は鉄道好きであったことは知られています。

東海道線の二宮に住んでいた小学生が毎日特急にガードの上から手を振っているうちに乗務員にも知られるようになります。

ある日またいつものように機関車に手を振りに行ったとき、車が土手から線路上に落ちるところを目撃し、急いで線路上を走り特急を止めて事故を防ぎました。

それがもとになりたまたま乗り合わせていた国鉄(当時)の技師長(もちろん小説の中では名前を変えています)と知り合いになり当時の東京機関区など国鉄の現場を見学させてもらったり、電気機関車(EF58)の運転席に乗せてもらったりという経験をします。物語とは言え今ではほとんど無理はことです。

その時その技師長と一緒に乗っていたアメリカの鉄道関係者の招待で夏休みにアメリカの鉄道も見に行くことになり、アメリカの鉄道のクイズ番組にも出演します。

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