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罪の奴隷から義の奴隷へ

[ペテロの手紙 第一 4:1,2]

キリストは肉において苦しみを受けられたのですから、あなたがたも同じ心構えで自分自身を武装しなさい。肉において苦しみを受けた人は、罪との関わりを断っているのです。それは、あなたがたが地上での残された時を、もはや人間の欲望にではなく、神のみこころに生きるようになるためです。

今日の聖書箇所
Iペテ4:1〜11

今日もペテロの手紙から恵みをいただいていきたいと思います。

私たちは苦しみは全て悪いことのように考えてしまうことが多いのですが、使徒ペテロは苦しみには大きな益をもたらす働きもあることを明らかにします。

苦しみには罪との関わりを断ち切る機会を与えるという積極的な働きもあるのです。人は頭で分かっていてもなかなか悪習慣から離れることはできません。しかし心身の苦しみを通して初めてそこから離れることができることがあるのです。

苦しみを通して人は自分の限界ということを悟る機会が与えられるのです。それまでは自分は何でもできる、何でも自分の思い通りになると思っていたのが、心身の苦しみを通して初めてそうではなかった、自分は限りある存在であったということを悟る機会が与えられるのです。

そのように自分の限界を悟った者の中から救いを求め、主イエス・キリストによる救いをいただくことができる者も起こされていくのです。そして主イエス・キリストによって救われた者は罪と死と呪いから解放され、それまで束縛されていた肉の欲から解放されていくのです。

その救いを受け取ることがなければ、人はどこまでいってもさまざまな肉の欲の奴隷として生きることしかできません。そのような生活を使徒ペテロはこのように表現しています。

[ペテロの手紙 第一 4:3]

あなたがたは異邦人たちがしたいと思っていることを行い、好色、欲望、泥酔、遊興、宴会騒ぎ、律法に反する偶像礼拝などにふけりましたが、それは過ぎ去った時で十分です。

多くの人が信仰を持つことは何か窮屈で縛られた生き方、ただ我慢して忍耐して生きる生き方のように考えてしまいますが、そうではないのです。多くの人が肉の欲を好き放題満たして好きなように生きることができることを自由であると考えるのですが、そうではないのです。

それは肉の欲の奴隷であり、罪の奴隷として生きているだけだということです。イエス・キリストを信じて新しく生まれ変わった者だけがその奴隷の束縛から解放され、神の御心に仕えることができるようになっていくのです。

救われた者とは何かやりたいこと全てを我慢して歯を食いしばって頑張っている人ではなく、やりたいことがすっかり変わってしまった人のことなのです。それまでは肉の欲を満たすことしか考えることができなかった者が、神の御心を行うこと、神に喜ばれることをなしたいと願うようになるということです。

イエス・キリストによって救われた者、イエス・キリストを信じて新しく生まれ変わった者だけが神の御心を行う自由が与えられるのです。

そのような自由が与えられた者はもう二度と罪と肉の欲の奴隷に戻りたいとは思わなくなっていくのです。そのような罪と肉の奴隷として生き続けるなら、やがてどれほど悲惨な結果が待っているかを知ってしまったからです。

[ペテロの手紙 第一 4:4,5]

異邦人たちは、あなたがたが一緒に、度を越した同じ放蕩に走らないので不審に思い、中傷しますが、彼らは、生きている者と死んだ者をさばこうとしておられる方に対して、申し開きをすることになります。

死後の裁き、イエス・キリストの再臨の時に最後の審判での報いを裁きを思うなら、罪から離れ、わずかでも神の御心を行いたいと考え、願うようになるのです。

この世の人はいつも目の前のことに焦点を合わせて、その時楽しければそれでいいと思ってしまうのですが、救われた聖徒は常に万物の終わり、自分の人生の終わりとイエス・キリストの再臨による世界の終わりに焦点を合わせて生きるようになるからです。

しかしそうは言っても肉の体を持つ私たちです。罪と肉の欲の誘惑は強力に救われた者にも襲いかかってきます。弱い私たちはそれに打ち勝つことなどできるのでしょうか?

それゆえ使徒ペテロはこのように勧めるのです。

[ペテロの手紙 第一 4:7]

万物の終わりが近づきました。ですから、祈りのために、心を整え身を慎みなさい。

ただ祈る者だけが罪と肉の欲に打ち勝ち、神の御心に生きる者となることができるのです。そしてその神の御心とは互いに熱く愛し合うことなのです。それだけが私たちの永遠に残る資産となっていくからです。

[ペテロの手紙 第一 4:8]

何よりもまず、互いに熱心に愛し合いなさい。愛は多くの罪をおおうからです。

万物の終わりに焦点を合わせ、祈り、愛することでそれに備える者となりたいと思います。

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