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辻村 深月 著 「家族シアター」を読んで。

妻はとにかく僕のミスを指摘する
「電気つけっぱなしだったよ」
「ゴミ出し忘れてたよ」
「トイレの中まで掃除機かけてって毎回言ってるよね?」
「味濃くない?」
料理を作っても褒められることはまずない

妻から言わせれば「あなたも褒めてくれたことないよね?」
確かにそうだ

「仕事でさー、アルバイトの子が同じミスしたら、言うでしょ?
それと同じだよ。」

家は職場ですか。。。

僕は家でも常に緊張している

妻を怒らせないように

イライラさせないように

妻は忙しいと、特にイライラする
「あー、疲れた。あー、眠い。」

家の中ではみんなそうなのか。
外では笑顔振りまいて
家の中では、ため息ばかり

それは俺へのあてつけか

喉まで出かかってやめる。

そんなこと言っても言い争いになるだけだ。

「眠けりゃ寝たらいい」
「疲れたのなら少し休めばいい」

「誰のために頑張ってると思ってるの?」
「あんたが不甲斐ないからでしょ?」
心の声が聞こえる。

昇進もできず万年係長の俺。
お義父さんにもきっと言われているだろう

「しょうもない奴だな」

子供たちも、馬鹿にするようになった

妻の僕への態度を見て
僕への発言を聞いて
妻と同じように、僕に接する

「復讐だよ」
かつて妻はこう言った

消せない過去への復讐

それを受け入れた僕

時々、愚痴りたくなる

きっと過去の僕の所業が今に繋がっている
過去、家族に言った言葉が
そっくりそのまま自分に返ってきている

人生とはそういう風にできている
因果応報

言っちゃいけないことを言ったり
口は災いのもと

必ず自分に返ってくる

自分は親だから、謝らなくてもいいって思ってるよね。そんなふうに血のつながりは絶対って思ってると、いつか、痛い目見るよ」

辻村 深月「家族シアター」より

そうなんだ。
血の繋がりは絶対ではない。
ましてや、家族と言えど、妻とは他人。血の繋がりはない。

時々愚痴りたくなる
今日はそんな日

※フィクションです。

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