親子別姓だった夫の話・2(全4話)を読んで

バニラファッジさんブログの昔からの大ファンで、加筆修正された今回の記事を感慨深く読みました。
厳しい母親が別れた名家の夫の元へ、将来息子を返すつもりでいたのは、息子に父親が必要だと思い込んでいたからなのでしょう。
しかし政夫少年は、同居の祖母と叔母にとても愛されて育ち、また厳しい母親にも自分への愛情はちゃんと感じ取っていたのでしょう。
ファッジさんに父親が必要だと感じたことがないと言われたのは分るような気がします。
思春期になり厳しい母親の期待通りに頑張っていた政夫少年が、父親の話題を出されると違和感を持つようになり、だんだん反抗するようになったのも自然な流れだと思います。
そんな思春期に父親が自分の事を子どもと認めてないかのような今回の記事は、読んでいてとても切なくなりました。
母親がいつか自分を父親の元へ返すつもりでいたのに、政夫少年の気持ちは
『やはり、ぼくに父親はいなかった。それを確認しただけだった。ぼくは鈴木でも竹之内でもなかった。そうだ、それだけのことだ。』と、書いてあり胸がきゅっと締め付けられる思いでした。
全四話なので続きが待ち遠しいです。


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