『死を生きる:訪問診療医がみた709人の生老病死』
上記の本は、小堀鷗一郎氏による今年4月に朝日新聞出版社から出た新刊でである。この本を知ったのは、NHKラジオ「著者からの手紙」だった。
それまで優秀な外科医として勤務してきた著者は、定年を境に訪問診療医として、自宅での多くの死を看取り、それまでの考え方を大きく変える。一般的には、医者は生かすための治療をすることに全く疑いを持たない。つまり「命を永らえる医療」こそが医者の使命だと疑わない。しかし、「命を終える医療」もあるのではと、強く思うようになったという。命を終える医療は、