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「古事記」第10章「天孫降臨(てんそんこうりん)」10-9

「瓊瓊杵命(ニニギノミコト)」に心無い言いがかりを付けられたの絶世の美女「木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)」の反撃が始まります。

国宝級笑顔の書道画家Princess香龍です❤️

神代の時代でも結婚は修行!!血みどろの闘いのゴングが鳴り響いたのです!!

とは言いつつ、可愛い妻であるサクヤヒメのためにニニギ君は出産後屋を建てさせました。ちょっと自分に自信が無いだけの優しい人ですから!

出産には多くの出血を伴うために宮殿の中が血で穢れないように近くに別の小屋を建てるのが一般的です。

しかも、基本的には1回の出産でしか使わないので、簡易的な細いタル木の柱に藁の屋根を載せただけのものです。燃えやすい材質なんです。

小屋の完成にニニギ君が不安がっていると、宮殿の中から女中が大量の白い布やお湯を持ってバタバタと運び始めたのです。

状況が飲み込めずにキョロキョロしていると、ニニギ君の肩をガスっと掴む人がいました。

「ニニギ様・・・邪魔です。どいて・・・」産気づいてゼェゼェ言いながら出産小屋にむかうサクヤヒメでした。

「サクヤヒメ無理しないで!そうだ、今から防火剤をいれましょうか?」ニニギ君が提案すると、

「邪魔だっつったんだけど!」ギロリと睨まれる!

「ヒィ!!ごめんなさい!!」ニニギ君の出る幕ではなく、、女中が支えて出産小屋にはいる。

サクヤヒメは女中に、接着用の土で入り口を塞いで出られなくするように指示し中に入るのです。

「そんなことしたら、本当に出られなくなってしまうよ!!」とニニギ君が泣きそうな声で言うと、サクヤヒメは「ヤンなきゃ、あんた、信じないでしょ?」

「ヒィぃっ」その迫力に言葉もなく、バタンと戸を閉められてオロオロするばかり。

そうこうしているうちに、中から火の手が上がり、ゴォゴォと音を立てながら小屋を包んでいく。

「なにこれ!!火の巡りが早すぎるよ!本当にまずいヤツでしょ!!サクヤ!!サクヤヒメ!!僕が悪かったから・・・出てきてください!!」

小屋の中からはサクヤヒメが苦しむ声が聞こえる。

「サクヤ!結果なんてどっちでもいいから!出てきてってば!!お願いだから!!!」ニニギ君は事の重大さに気付き、無理矢理にでも小屋から連れ出そうと考えたけど、余りにも火が大きくて近づくことすらできないでいたのです。

中からはサクヤヒメの叫び声が聞こえて、緊迫感がさらに増したのです。

「サクヤ苦しそう・・・どうしよう・・・」ニニギ君が呆然としていると突然、ぴたりと叫び声が消えたのです。

「嘘。嘘でしょ?冗談やめてよ、サクヤ、死んでないよね・・・」絶望的にニニギ君が膝をついた時。

「おぎゃあ! オギャア!!」赤子が元気に泣く声が響いたのです。

「産まれた?赤子が生まれたんだね?よかった!!」そして、泣き声はさらに響き、予想以上にうるさく鳴り響いたのです。

暫くして、壊れた出産後屋の中からサクヤヒメがフラフラと炎を掻き分けて出てきたのです。赤子を抱きながら。

「サクヤ!!よかった!!無事でよかった!!」とニニギ君は思わず駆け寄って他人目も気にせずに彼女を抱き寄せた。

そして、赤子を見るとなんと三つ子がいたのです。泣き声がうるさいはずです。

そして、誓約の必要などないぐらいニニギ君の父のオシホミミにそっくりな長男を見て納得したのです。(ふてぶてしい顔のオシホミミだよ)

バツが悪そうにニニギ君はサクヤヒメに「この前は、君を疑って酷いことを言っちゃって・・・本当にごめんなさい。一人でよく頑張ったね」

「・・・もういいの。よかった、信じてもらえて」疲れてフラフラなサクヤの笑顔もやっぱり可愛い。でも、「こんなに無茶する子だとは思わなかったな・・・」とポツリと呟くと、

「天つ神の御子にお仕えするのだから、お淑やかにするように努めていたので、失礼をお許しください」

「そんな気を使わなくてもよかったのに・・・。普段もタメ口でいいよ」

「ニニギ様もいつも敬語ですよね」

「それは、こっちに降りてきた時に自分以外みんな大人の人だったから癖になってたんだと思うよ」「それに、本当はがの強い女性の方が慣れているからね」

「天孫天孫って言われて育ったから、我儘なところもあるかもしれないけど、それでもよければ・・・」これって、もしかして、プ、プロポーズ?

「それでもよければ、これからも一緒に・・・いてくれますか?」改めてちゃんと言われてサクヤヒメは嬉しそうに笑顔を輝かせて言葉を返します。

「もちろん!これからもよろしくね、ニニギ!」結局、女は強し!!

こうして仲直りした二人。

ホデリ、ホスセリ、ホオリの三子と仲良く暮らすのです。

そして、次回からは「古事記」の最終章「山幸彦と海幸彦」の物語が始まります。

三つ子の長男「ホデリ(海幸彦)」と三男「ホオリ(山幸彦)」の物語です。

どんな物語になるか、乞うご期待です!!

日本の神様の物語は最高の「ドラマティックJapan」。。。

だんだん良くなる!未来は明るい!!

皆様に湯水の如く良き事が起きます!!


香龍アートサイトcreema
https://www.creema.jp/c/princess-kory

「アートアクセサリー」サイトminne
https://minne.com/@koryu4976

参考文献/「眠れないほど面白い日本書紀」板野博行、三笠書房、王様文庫
参考文献/「ラノベ古事記」小野寺優、KADOKAWA

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