【事実】ロシア人は今でもクレジットカードを使っている。日本政府の全く無意味な経済制裁

「大手クレジットカード会社が業務を停止!」
「ロシアでは現在クレジットカードが使えない!!」

おそらく多くの方がこのような認識ではないでしょうか。しかし、この情報は正確ではありません。

「ロシアにいる日本人やアメリカ人だけクレジットカードが使えない」

これが正しい事実です。ロシア人は現在でも普通にVISAやMASTER、JCBを毎日利用しております

「何か抜け道があるのか?ロシアの銀行は不正をしているのか?」

こう思われたかもしれませんが、ロシア側は何もしておりません。この理不尽な状態は日本やアメリカのカード会社自身が引き起こしています。今回はロシアでのクレジットカード事情について「正しい知識」を皆様にお話します。

なぜロシア人はクレジットカードが使えるのか


「報道では大手クレジット会社が撤退したと言っていたけど?」

そう思われているかもしれませんが、もう一度報道をしっかりと聞いてみましょう。そのようなことは言っておりません。

この報道によると、

  1. 「ロシア国内発行のカードはロシア国外では使えない」

  2. 「ロシア国外発行のカードはロシア国内では使えない」

このように少し分かりにくい報道がされております。

「ん?要するにロシアでクレジットカードが使えなくなったんでしょ?」

当事者ではない方の大部分がそう思ったでしょうが、実はこれトンデモナイことを言っています。

つまり言い換えるとこのような意味になります。

  1. 「ロシア国内のカードはロシア国内では使える

  2. 「ロシアにいる外国人だけがロシアでクレジットカードが使えない」

カード会社が止めたのは「国際決済」だけであり、ローカル決済に関しては干渉していないのです。

「こんなの屁理屈だろ」と思った人もいると思いますが、筆者は実際に現地でそれを経験しており、スーパーのレジでロシア人がクレジットカード払いをしている中、私だけが現金で払うという惨めな思いをしていました。

証拠もあります。私はこの理不尽な事態が許せず、JCBに問い合わせをしました。このメールさえも筆者の自作自演だの工作員のプロパガンダだの言うのであれば、読者様もJCBやVISA等に問い合わせてみるとよいでしょう。

繰り返しますが、ロシア人はロシア国内で普通にクレジットカードを使えます。使えなくなったのはロシアにいる日本人やアメリカ人だけです。カード会社はただ単に自国民に対して制裁を加えたにすぎません。

さてもう一つここで質問が出てくると思います。

「でもロシア人は海外でクレジットカードが使えなくなったんでしょ?」

たしかにロシア人はクレジットカードを海外では使えなくなりました。しかし、クリミア併合時の経済制裁を経験したロシア人はこの件に関して既に対策済みです。

カザフスタンのVISAを使ったり、中国のUnion Pay (銀嶺カード)を使ったりと、いくらでも抜け道があります。以下が実際に「原神」に課金(つまりgoogle playに支払い)をした筆者の友人の発言です。

「どうしてミホヨに課金できてるの?」と筆者が質問したところ、この友人は次のように答えました。

  1. 「ネット規制はVPNで回避」

  2. 「課金はカザフスタン人の彼氏からしてもらった」

このように抜け道はいくらでもあるのです。

なぜこのことが報道されないのか

筆者の見解ですが、「経済制裁が効いている」という報道の方が当時では大衆ウケしていたため、「ロシア人には効果が薄い」「苦しんでいるのは在露外国人だけ」という報道をあえてしなかったようにも思えます。

日本のメディアでは、「タイでクレジットカードが使えなくなったロシア人」のみが報道されていましたが、世界中のロシア人が同様に苦しんでいるという報道はされておりません。明らかなピックアップ報道です。一方でロシア国内で苦しんでいる大勢の日本人については一切報道されておりません。

筆者もN○Kの取材でロシアのクレジットカード事情について洗いざらい話したのですが、報道されることはありませんでした。取材を申し込んできたのはNH○にも関わらずです。おそらく、○HKは私の証言が期待していた発言とは正反対の回答をしていたので、採用しなかったのでしょう。

ロシアにいる日本人への影響

海外長期滞在においてクレジットカードは「パスポートの次に大事な物」と言われております。

「海外でクレジットカードが使えない」

これが何を意味するのか。これはつまり

  1. 「支払いは現金のみ」

  2. 「ATMから現金が下ろせない」

このようなシャレにならない状態を意味します。財布の中の現金が尽きたら人生終了という意味です。

補足ですが、VISAなどの大手クレジットカードは国際キャッシュカードの役割を担っており、海外ATMでも日本の口座から現金が下ろせるようになっています。それができないという意味です。

そのため、ロシアにいる外国人はSwiftから除外されていないロシア現地の銀行口座を作り、母国の銀行からその口座に国際送金をして、その銀行のキャッシュカードによってATMからお金をおろさなければなりません。

しかし、日本の銀行はロシアの銀行への送金を軒並み停止しており、その方法も使えません。逆に言えば日本人以外の外国人はその方法で今でもロシアで現金を下ろして生活できています。

そのため、実際のところロシアで生活できなくなって帰国を余儀なくされたのは日本人(とおそらく西側諸国の人)だけであり、中国人やインド人は今でも普通にロシアで勉強やビジネスを行っています。

私は諸都合でたまたま現金を大量におろしていたのですが、普段クレジットカードを使っていて現金をほとんど持ち歩いていない人の境遇を考えると気の毒で仕方ありません。朝起きると急に資産がゼロになっているのです。

ちなみに大使館は原則的にお金を貸しませんし、そもそも大使館に行く交通費はおろか、大使館に連絡をする電話代も払えません。

経済制裁はミクロな視点では日本人のみがダメージ

西側諸国が行った経済制裁はマクロな視点だと、さすがにロシアも相当な痛手を負っていると思いますが、国民一人ひとりの視点だと、そこまで生活に影響しておりません。ダメージを受けたのは日本人だけです。

ルーブルが大暴落して撤退直前のマクドナルドの値段が3倍になった時も、ロシア人はドルの口座も持っているので、ドルで払えば問題ありませんでした。ルーブルはもともと不安定な通貨ですので、ロシアの銀行では口座開設の際、ルーブルの口座とドルの口座を両方作らされます(Alfa Bankの場合)。さらに現在はルーブルの価格も戻っています。

信じたくない気持ちは分かりますが、日本人はこの記事で述べられた事実を受け入れなければなりません。希望的憶測や楽観的解釈をしても事実は変わらないのです。

私の記事は本来有料なのですが、皆さまにどうしても知ってもらいたい事実でしたので、この記事においては全て公開しました。

ただ、この記事を購入してくださり、皆さまのご厚意を少しでもいただけたのなら、この上なく嬉しい限りです。経済制裁で生活を壊された私のちょっとした卑しい金銭欲にお付き合いいただけたらと思います。

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