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Netflix『YOU‐君がすべて‐』に見るー「なぜ私たちはINFJになったのか」

「自分とわかり合いたくて生きている」ーー
前回投稿したnoteでこう書いた。

その考えは私を通底して形作っている(私に限らないと思うけれど)。

ここ最近はやりの「MBTI診断」、ご存じの方も多いだろう。
説明は割愛するが、あれは「星座占い」や「血液型性格診断」などとはまったく性質の違うもので、むしろ実質的な心の働き、個人ごとのもののとらえ方の"クセ"を判断できる有用な手法と考えていいと思う。
星座や血液型といった、個人の特性を左右するとは考えづらい偶発的な要素ではなく、個人の頭と心の動きを問い傾向を抽出するという、いたって論理的なプロセスに基づいた指標だからだ。

人間を16の型に分類するなんてナンセンス、と思う人もいるかもしれないが、うまく活用できればこの世を生きる中で大いに役立てることができると感じる。
それは他人を理解するためというよりも、むしろ「他人は理解しきれないものであることを受け入れる」ことにおいて、より大きく力を貸してくれるだろう。

さて、タイトルにあるとおり、今回は「MBTI:INFJ」の私が、Netflix人気ドラマ『YOU-君がすべて-』を観ていて感じたことについて、少し書いてみたい。
作品を観たことがない方は是非Netflixで視聴してもらえると、本記事についてより理解しやすいだろう。
INFJ特有のとめどなく押し寄せる滝のような思考を、手すさびに書きだすだけのチラ裏メモのようなnoteであるが笑、言葉にして少しでも頭を休めたい身勝手さに、お付き合いいただけると幸いである。

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■『YOU‐君がすべて‐』を観て

ドラマ『YOU-君がすべて-』を観ていて興味深く感じた点、それは
★おそらく主人公のジョーが私と同じ「INFJ」であること、
★彼が周囲のキャラクターや視聴者(私を含む)からどう見えているかを俯瞰したとき、あるいは彼の性質の理由を彼の過去や経験に求めたとき、「INFJ」がどうして出来上がるのかがなんとなく理解できるような気がしたことである(まさにN型炸裂といった感じであるが笑)。
この2点について掘り下げながら、このドラマから「INFJ的性質」の成り立ちについて考えを巡らせてみたい。

■主人公ジョーはINFJ?

まず彼がINFJであると考える根拠について。
ーーひょっとして述べるまでもないかもしれないが、個人的に重要なポイントは

★ロマンチストで理想主義、また未来志向的で運命思想が強い
★独自の強い信念がある(時に自分を縛るマイルール、思い込みも強い)
★ペルソナ作りが巧い(相手の望み/思考を察する)
★一対一の相手との深い交流を好む
★「本物」「真実」への志向

このあたりかなと思う。
より詳しく項目ごとに見るならば下記のようだろうか。

ジョーのINFJ診断:項目別要素

★I(内向型)
これは言わずもがな。友達はほぼおらず、静かに読書に耽るのが日課。
彼女の友人との交流にも消極的である。
外的情報に関心が薄く、内的思索を重視している。

★N(直感型)
見たものをそのまま事象として受け取るのではなく、無意識の蓄積を参照・解釈し独自の結論を導く。
対象のそぶりを見て”誘っているのか?”と考える「思い込みの激しさ」や、運命の存在を信じる「ロマンチストな点」、子供が女の子でなかったことを”破綻の予兆”と受け止めるいささか「スピリチュアルなところ」。
もちろんパッと見た相手に違和感を感じたり、本質をキャッチする「勘の良さ」もN型の典型的要素といえる。
絶えず物事を考察し、表面的なストーリーの奥にある「鉱脈」に迫ろうとする視点は、幼いころより続く読書習慣の影響も大きいのかもしれない。

★J(判断型)
衝動的な場面がないわけではないが、あくまでイレギュラーな局面で、基本的には計画性があり慎重なタイプ。
関心のある相手に近づくためにSNS等を駆使し情報をかき集め、段階を踏んで着実に事を進めるあたりなどは顕著である。

★F(感情型)
この項目については、このドラマが突飛なシナリオながらここまで人気を博していることが根拠といってもいい。笑 同時に本作品の主人公の設定としてとても重要な要素でもあると個人的には感じている。
いわゆるサイコパスキャラが出てくる作品を見ると、近くても「INTJ」気質のキャラクターが目立つ印象があるが、主人公が女性をストーキングし殺人に手を染め、最終的には彼女をも手にかけながら自身は捕まらずやりおおせるというとんでもない展開にも拘わらず、ドラマが愛され堂々の4シーズンも続いているのは、彼がF型の要素を強く持つキャラクターとして描かれ、人々の共感を得られたことが大きいだろう。
リスクを承知で捕獲者を解放したり、彼女の気持ちを慮って面倒な弟の世話を焼いたり、合理性よりも気持ちに引きずられる場面が大変多い。
特にシーズン1の虐待を受ける男の子や、シーズン2のエリー等、未成年の不遇な環境にある子どもへは、合理性度外視の思いやりをみせる。
自分がリスクを負っても守り抜くという親心のような思いと、その根底にある彼らへの深い共感が作品を通じて描かれており、視聴者がジョーを憎むことのできない大きな要素になっていると感じる。

「シリアルキラーもの」か「ロマンティックドラマ」か

加えて言えば、シリアルキラーもの(『デクスター』や『ハンニバル』等)の多くは「殺人衝動のある生まれついてのキラー」としてキャラクターが描かれることが多いが、今作のジョーはそうではない点も重要だ。
『デクスター』もシリアルキラーを主人公にかなりのシーズン続いているおそろしい作品だが(笑)、正直彼に感情移入することは難しかった。
背景や対象はどうあれ、彼自身が「殺人衝動に突き動かされる根っからのシリアルキラー」であり、基本的にはサイコパスである点が共感性を欠いたためである。
その点で「愛ゆえに」一線を越えてしまう、本気で相手に、自分に向き合い、愛に報われたい一心で屍が積まれてしまう、その業を本人が重く自覚していることは、この作品に一貫してロマンティックな淡い香りを湛えており、ほかのシリアルキラーものと一線を画する要素であるといえるだろう。

■ジョーに体現されるINFJのアンビバレンス

さて、ここまでジョーがINFJである根拠を見てきた。
ここで頭に浮かんだのが、INFJはプラスに転ぶかマイナスに転ぶかで大きく見え方が異なるタイプだと言われることだ。
見え方というか、形というか。
穏やかですべてを見通しながら受け入れるどこか神聖な存在のように表れることもあれば、陰謀論や新興宗教的な、一般に理解されがたい、いかがわしい妄信者にみえることもあり得るかもしれない。
そんなINFJの光と影のコントラスト、その両面を内在させたのがジョーであると思う。
ある時・ある者には愛にあふれる神秘的な理解者に映り、ある時・ある者には妄想に固執した狂人に映る。
様々な顔を持つように見えるが、根底にあるものは同じ。
あたる光が違うだけ、反射する姿が違うだけなのである。

彼の望みはただひとつーー理想を叶えること。
それは「本物の愛」「運命の絆」「魂の共鳴」・・「YOU」を愛しその身を捧げる、それこそが彼の、ほとんど唯一の生きる意味であり、その使命を全うすることは生きることそのものなのである。

世界に自分の「理想」を実現するために一生懸命に努めるのだが、叶わない。それでもまた立ち上がる。追い求めなければ、生きている心地がしないからだ。
そして世界に失望したときーー叶わない理想、存在しないかもしれない「本物」ーー打ちのめされ、途方に暮れてしまう。そしてすべてを台無しにする。
”ドアスラム”という言葉がINFJ特有の性質の表現としてあるくらいである。
彼の行動は極端だが、INFJ的な特性を鑑みるとき、不思議と理解できないものでもないように思えるのであった。

・・・こんな風に書かれると世の心あるINFJの皆さんは快く思われないかもしれないが笑、複雑な経緯と大きなふり幅を持ったINFJキャラクターとして、ジョーは説得力があるといえる。
重ねて、もちろん極端な例であることは言うまでもないが。笑

後編:「なにがINFJをつくるのか」

さて、今回は【前編】として、主人公ジョーのMBTIをINFJとする根拠、およびそこからうかがえるINFJの性質について、内省も込めて考察してみた。
【後編】では、このジョーの生い立ちについて見つつ、INFJである私自身の経験も参照し、「なぜINFJになるのか」、この要素について深堀りしてみたいと思う。
ここまでチラ裏メモの書きすさびに付き合ってくれたあなたに感謝しつつ、後編もよければお付き合いいただければ幸いである。

よい日、よい夢を。

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▼イラストレーターやっております('ω')
TOP画像のようなイラストを描いています○
よければご覧ください~


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