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散文『まっしろ』

いざ、その時がやってくると
あっという間の出来事だった。

なんて事のない日常のほんの一コマに
わかれというシーンが
パズルのピースのようにハマっただけ。

お互い好きな気持ちはあるのに
またぶつかるのが怖いからという理由で別れた。

思えば付き合うときもどうせ
すれ違って上手くいかない。
そう言われた。
それでもうまくやっていけると
思ったから大丈夫と言った。

でも、大丈夫ではなかった。
だからまた同じことになるからって
怖気付いて別れた。

いつもきみの答えを待ってた。

最初からダメだと思ってたなら。

その気持ちを変えさせてよ。

物語はきみの思い描いたように進む。

自分勝手だ。

僕には紙もペンもない。

もう、前の2人には戻れない。

きみの鉄の意志が2人のあいだを阻む。

もう戻れない。

戻りたくない。

友達でいたいと言うきみ。

友達には戻れないと思う僕。

ゆっくりと崩れていく目の前の日常。

はやく崩してまっさらにしてしまおう。

そして、その上にペンキで白い色を塗る。

君のいない今日は新しい1日。

自分の色で鮮やかに彩ろう。




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