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【創作】2人で作ったライダースーツ【仮面ライダー】2話

戦闘場所から少し離れた公園

ライダー「で、どうして俺がその…藤くん? だと思ったんだ?」

明らかに動揺しつつ、女子大生に質問をする

女子大生「誤魔化せてないから! 絶対バレた時のリアクションだったじゃん…」

ライダー「でも、この時間の時雨と俺は…! あっ…」

女子大生「あっ」

・・・・・・


カーッ!カーッ!

カラスの鳴き声が、ひどくうるさかった


時雨「認める? あなたが私の2個上の大学の先輩、藤康隆くんってこと」

藤「ああ、認めるよ。 俺は藤だ」

そういうと、藤はヘルメットに両手をやる
ヘルメットの後頭部が上部にカシャっと展開し、面が外れた

時雨 (なんか、いつもと雰囲気違う…?)

藤の顔つきに少し違和感を覚える時雨
しかし今はそれよりも気になることがある

時雨「それじゃあ、今度はこちらから質問。どうして私の名前を知ってるの? 私たち、別にサークルとか一緒じゃないのに」

藤「待ってよ、まだ俺の質問が終わってない!」

時雨「う…」

藤「俺たち、まだ知り合いじゃなかったはずだろ?なんで俺のこと分かったんだ?」

時雨「それは…」

髪を指でくるくるさせながら言い淀む時雨

藤「そんなに言いづらいのか?」

時雨「…てたから…」

藤「え?」

時雨「ずっと見てたから!あなたのこと!」

顔を真っ赤にしながら大胆すぎる告白をする時雨

藤「えぇ!? …ああ、そういやそんなこと言ってたな…」

驚いた後にボソッと呟く

時雨「なんか言った!?」

時雨はもはや涙目だ

藤「ああ、いやなんでもない、ごめん… そんなに怒んないでよ…」

ブチギレ女子大生にタジタジの藤

時雨「次は私の番! どうして私の名前、知ってるの?今日が初対面でしょ?」

藤「それは…」

何か良い言い訳がないか…? と目を右往左往させながら考える藤

目の前には顔が真っ赤の涙目女の子
自分達を照らす夕日のようではないか

大胆な告白をさせてしまった罪悪感が襲い掛かる

天に顔を上げ、腹を決める藤

藤「全部、話すよ」

真っすぐな目で真剣な顔つきになる藤

時雨「えっ?」

急に雰囲気が変わり、一瞬、緊張が走る



藤「俺は、未来から来たんだ」

時雨「は?」



薄暗い部屋

豪勢な長テーブルに3人が座る

部屋の入口側に座る白衣を着た男が報告する

男「先ほど、興味深いデータが検出されました。どうやら、時空に歪み…のようなものが生まれたようです。」

女「なにそれ? なにもかもが曖昧じゃない」

反対側に座る、派手な女性が机を爪で叩きながら煽る

男「静かに、ここからが本題なんだ。…こちらの映像を」

モニターにライダーと怪人の戦闘が映し出される

中央に座る男と女が驚く

女「あれは…!? 今、最優先で実験中の個体じゃない!?」

男「そう、見た目がかなり異なりますが、今我々の計画の中心となっている改造人間『N』、と思われます」

女「ボス… これは一体…」

整えられた白い頭髪に口髭を蓄えた初老の男性
ボスと呼ばれた男が右手を上げ、女を制す

ボス「…毛むくじゃらの方は、リストにいたかな?」

男「えぇ、あれはネコ科タイプと非常に似通っています」

ボス「そうか、奴らの正体を突き止めろ。必要なものはなんでも使っていい」

男・女「承知いたしました」

部屋から出ていく2人

ボスはモニターを眺め続けた



時雨の自室

時雨「信じらんない! 人にあんなこと言わせといて… 自分は未来から来ましたって… 」

藤のタイムスリップ発言を信じられず、怒って帰ってきてしまった時雨

しかし、ご飯を食べお風呂に浸かり、冷静になってきた

突然現れた怪人、藤が着ていたライダースーツ
そして、藤の顔つき…

時雨「ちゃんと、話聞こう…」

スマホを手に取る…
しまった!

時雨「連絡先、知らないんですけど…」

続く



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