踊らされる

荷物を送るため午前中
郵便局へと向かった
平日で人も少なく
スムーズに手配完了
さあ、帰ろうとしたその時
係の女性から声を掛けられる

「チラッとアンパンマンの袋が
 見えたのですが小さいお子様
 いらっしゃるんですか〜?」

息子のいる私は不覚にも
はい、と返事をしてしまった
彼女にも来月2才になる子がいて
あれこれ苦労話を共有した
こういう出会いがあっても悪くない

一旦話が終わり、私の息子にと
郵便局の塗り絵を渡してくれた
心がほっこりしたその瞬間

「そういえば息子さん、
 学資保険にはいってますか〜?」

なんだと!?
まんまとしてやられた
ついさっきまで戦友かのごとく
語り合った目的はこれだった
しかも塗り絵までもらっており
無下に断ることはできない

顔を引きつらせながら微笑み
チラチラ時計を見る私
対して彼女の流暢なセールストーク
耐え難い時間が続いた。。

「そういえば今日の荷物は
 いつ頃届きそうですか?」

会話の隙間が見えたので
とっさに質問をして話を区切った
やった、やったぞ!!

郵便局を背に
話に乗ってしまった私を戒めた

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