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新卒から56歳まで同じ企業で働き続けた父が、今日、会社を辞めた。

私の父は、今年56歳。とある地元の金融会社で、新卒のときからずっと働き続けている。

父は、フリーランスになってみたいとか言い出す私とは違って、かなりの安定思考だ。

普段はあまり喋らず、政治や金融に強い父。硬くて、真面目という言葉がよく似合う。

会社が辛くなって心を病んだときも、私と母のために休職期間を挟んで立派に働き続けた。

休職が明けてすぐの時期に、父の部屋の引き出しから「家族のために頑張る」と書いた紙が出てきたときは、流石にちょっとウルっとした。

ーーそんな父が今日、56歳まで働き続けた会社を、満を持して退職した。

世でいう、早期退職みたいなものだろうか。

父の父、つまり私の祖父はかなり早くに亡くなってしまったので、父は一人になった祖母の近くにいてあげたいと地元の企業に就職したらしい。

息子が地元の金融企業で働くことを祖母は大変喜び、誇りに思っていた。

月日は流れ、父は来る日も来る日も働き、小さかった私はなんと社会人になって一人暮らしを始め、恋人ができた。

私の目まぐるしく動く人生とは反対に、祖母は、だんだんと元気を無くして入院した。

そして去年に、私は会社の同期である彼と結婚。

しかし、祖母はその数ヶ月後に亡くなってしまった。


母のため。妻のため。子供のため。

父は、人のためを思って働き続けてきたのかもしれない。

母が、「辞めたいなら、言わないと変わらないよ」と父に言った次の日。

踏ん切りがつき、父は上司へ退職を切り出すことができたのだという。

守るべきこと、辛かったこと、それでもやりがいを感じたこと、ここじゃダメだと思ったこと。

きっとここに来るまで、私には想像し得ないほど本当にいろんな思いがあったのだろう。

真面目で慎重な父がたくさん考えて出した大きな決断を、私は、娘としてドンと背中を押していきたい。

これからは、より父らしい人生を歩んでほしいと思っている。

私は、キャリアスクールSHELikesに入会してから自分らしく、生き生きと働いている方とたくさん知り合うことができた。

そこで大きく価値観も変わったし、「こんな風に生きてもいいのか」とも思えた。

「一人一人が自分にしかない価値を発揮し、熱狂して生きる世の中を創る」。

そんなSHEのビジョンと似ているが、やっぱり固定概念にとらわれず、一度きりの人生をこれでもかと言うほど生き生きと生きていってほしいな、と思う。

30年働き続けた父に、たくさんの感謝と、お疲れ様を込めて。

そして、第二の人生の幕開けに、おめでとう。

とりあえずしばらくは、気の向くままにゆっくりしてね。


これから、父と一緒に金融系の記事でも書くか〜。笑


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