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「コーヒーで、人の日常や心を豊かに」〜大学生で起業したいつ季さんに聞く、夢の叶え方とcup of talk coffee の魅力〜

食を軸に夢を追いかける方へインタビューをする連載マガジン「ユメゴハン」。

今回お話を伺うのは、大学在学中に「cup of talk coffee 」を起業し、2021年8月に兵庫でカフェの実店舗をオープンさせた丸山いつ季さん(25)。

20歳という若さで起業したいつ季さんから、夢を叶える秘訣や、cup of talk coffee への想いをお聞きしました。

いつ季さんが経営する、cup of talk coffee

おままごとに熱中していた幼少期から、20歳で起業するまで

──  簡単に生い立ちなど含めて、自己紹介をお願いします。

私は、西宮生まれ・西宮育ちです。小さなころから、何かを作ることがとても好きでした。誰かに誕生日をあげるときはものを買うのではなく、作ったものをあげていましたね。

あとは、おままごとの域を超えて「採血センターごっこ」とかをやるような子どもでした。

──  なんですか、それは!(笑)。

おもしろいですよね(笑)。リアルに再現するために、血も作ってました。言うならば、「リアルおままごと」です。

──  かなりのこだわりを感じますね・・・。周りの方を巻き込んで何かを創り上げる、というのは幼少期から変わっていないのでしょうか。

そうですね。母からは、今経営しているお店もリアルおままごとの延長だって言われてます(笑)。

──  なるほど。

いつ季さんが投稿されているyoutubeを拝見しましたが、たしかに、いつ季さんはおままごとが似合うような少女らしさ、可愛らしさがありますよね。いい意味で、起業家っぽさがないというか。

ただ、20歳で起業されたわけですし、本当は行動力溢れる凛々しい方なのではないかと思っています。

そんないつ季さんが人生で大切にしていることや、起業するまでのストーリーをぜひ教えていただきたいです。

心がけているのは、「思い立ったらすぐ行動する」こと。実際に、ひとつずつ行動することで起業できたんです。

大学時代、アルバイト先のコーヒーショップでバリスタコンテスト(通称:バリコン)への出場を決意しました。ここで行動したことが、全てのきっかけなんです。

──  バリコン出場が、お店の生まれる第一歩になったんですね。

はい。またバリコン前に、起業を後押しする大学のゼミへ入ったことも大きなきっかけです。

起業ゼミに入った理由は、起業したかったからではありません。ゼミでの学びを活かして、バリコンで優勝するためでした。

ゼミに入る前に面接があったので、面接対策として、自分がもしコーヒー店をするならどんな店にしたいのか考え抜きました。

──  バリコンで優勝するためにゼミを決めたところ、そこに入るには起業の構想を練らなければならなかったと。

そうなんです。バリコンの経験を活かした店の構想は評価され、面接は無事合格。

そしてその後、ゼミでは経営者の方々の前で起業案をプレゼンするコンペがありました。

コンペに通ると、経営者の方から支援を受けることができ、起業することができるんです。

コンペは自由参加で起業するつもりはなかったのですが、私はとにかくチャンスがあればなんでもやりたいタイプ。迷わずコンペに出場することを決めました。

──  「思い立ったらすぐ行動する」ことを続けるうちに、気づけば起業コンペに出場することになったんですね。

そうなんです。

経営者の方々の前で発表する経験は、きっと糧になり、なにかのきっかけになると考えました。

そこで思い切って努力を重ねたところ、なんとコンペに通ってしまって。コンペへ通過したすぐあとに、起業するかしないかの選択を迫られてしまったんです。

──  まさかの展開ですね。

本当に起業するかどうかは自由なのですが、「このチャンスは掴むしかない」と考えて、ここでも起業することを決めました。

もちろん、とても悩みましたよ。起業しますと言ってから、頭のなかでは1ヶ月くらい考えてましたね。

──  いきなり起業することになったら、だれでも悩みますよね。

はい。でも、チャンスは絶対掴むのが自分のやり方。今までそれでうまくいってきたので、決断できました。

──  では、意外と「夢に向かって突き進んできた」というより、「目の前のことを努力し続けていたら、今に繋がった」というような感覚なのでしょうか。

そうですね。常になにかに繋がると思っているので、目指してるところはいつもないんです。

──  いつ季さんが一つひとつの困難に真摯に、そして勇ましく立ち向かってきたからこそ、起業のチャンスを掴めたんですね。

いつきさんの夢、想いの原点とは

──  お店を開業したいという想いは、バリコンやコンペを機に湧いてきたのでしょうか?

そうですね。バリコンに出たことで、想いが芽生えていきました。

バリコンに向けて練習を重ねるなかで自分と他のスタッフとのレベルに差ができてしまい、違和感を感じるようになったんです。

「もし自分がお店やるんだったら、どのスタッフがいても最高のクオリティーのお店にしたい」と感じました。それがお店を開業したいと思ったきっかけかもしれないですね。

── 目の前のことに向き合う中で、少しずつ想いが湧き上がってきたんですね。

ハッピーに夢を叶えるための秘訣は、大きな軸と小さな一歩から

── 夢を叶えたいけれど、中々行動できずに悩んでいる方もいると思います。そんな方に向けて伝えたいことや、夢を叶えるための秘訣はありますか?

まずは自分のなかで芯を持ち、小さな一歩から夢を叶えていくことですかね。

たとえばコーヒーを提供したいなら、店舗はどこに出すのか、家賃はどれぐらいかとか、いろいろ想像すると思うんです。

でもそれより先に、なぜその夢を叶えたいのか、といった信念を追求するのが大切だと思います。

想いが完全に固まってないと、一歩も踏み出しにくい。

それに、自分が軸を持っていたらそういうお客さんが集まってくるし、やりたいことを叶えられて自分もハッピーになれるはずです。

「なんでこんなことやってるんだろう」って思うのが一番しんどい。なので、スタート地点で立ち返ることはとても重要です。

そして、夢を叶える最初の第一歩は、すごく小さいことからでいいと思っています。

お店がしたいなら、まずはインスタを開設したり、チラシを作ってみたり。コーヒーを提供したいなら、自宅で友人に提供することから始めたっていい。

今すぐにでもできることから始めていけば、だんだん道ができていきます。

少しの一歩を毎日歩んでいくことで、1か月、2か月、3か月と時が経てば状況は変わっていくはず。

だけど、「できるかな、どうかな」って考えてる3か月じゃ何もできないですよね。それなら、今日からできることをやっていけばいいんじゃないかなと思います。

── 軸を持ち、一歩を踏み出すことがハッピーに夢を叶える秘訣なんですね。

cup of talk coffeeの魅力は、「一対一」の中に

── いつ季さんは、cup of talk coffeeをどのようなお店にしていきたいですか?また、こだわりなどがあれば教えてください。

「人の日常や心を豊かにすること」がお店の最終目的です。そのための手段として、コーヒーを使っています。

こだわりは、「お話(talk)」ができるところですかね。

── お店の名前であるcup of talk coffeeにも、「talk」が入っていますよね 。

はい。1杯のコーヒーを片手に、人と対面で言葉を交わし、笑顔で話ができる時間は、居心地の良さや温かさに繋がるはずだと思っています。

あとは、飽きないお店にしていきたいです。

いくらコーヒーが美味しくてスタッフと喋れたとしても、ずっとコーヒーだけだと飽きると思うんですよ。

コーヒーを使ってなにか成長できたり、次に繋がったりすればもっと楽しいし、世界も広がる。

だから、当店では「テイスティングトラベル」という、気軽に知らないコーヒーをテイスティング(試飲)を通して体験できるサービスを行ってます。

── 「テイスティングトラベル」とは具体的にどのようなサービスですか?

まず、テイスティングトラベル用のスタンプカードに、お客様がテイスティングしたコーヒーのスタンプを押していきます。

そして、スタンプが貯まればお客様が気に入ったコーヒー豆をプレゼントする、といったサービスです。

コーヒーをただ飲むだけではなく、新たな楽しさを作るということに重点を置いています。

コーヒーに対する興味や関心が生まれ、気づけばコーヒーが好きになっていた、というところまで持っていくのが狙いです。

── なるほど。自然に、でも能動的に。コーヒーに対するお客様の心を動かすためのサービスなんですね。

コーヒーの奥深さを知ることで人生が豊かになると私自身感じたので、それを伝えたくて。

だけど、ただ伝えても仕方がない。身をもって体験させられたら、よりコーヒーに興味を持ってもらえると考えました。

それが、もう一つのサービスである「あなたのコーヒー」をやっている理由でもあります。

── 「あなたのコーヒー」について、教えてください。

コーヒーの風味やイメージを書いたボードから好きなものを選んでもらい、お客様に合わせたコーヒーをご用意する、といったサービスです。

ボードからコーヒーの味を選んでるうちに、「甘酸っぱいってなんだろう?」ってお客様は興味を持ちますよね。

「あなたのコーヒー」では、お客様にコーヒーの世界を広げるステップを踏んでもらいたいんです。

そして、コーヒー好きじゃない方も、コーヒーが好きになれるようなお店にしていきたいと考えてます。

── コーヒーやサービスについてお伺いしましたが、お客さんと接する中で、なにか大切にしてることはありますか?

一人ひとりと向き合うことを大切にしています。

お店を経営するには、お客様の期待を超えることが必要です。

そして、期待を超越する感動は、一対一のサービスからしか生まれないと私は考えています。

ちょっとしたことでもお客様に話しかけてみるだけで、お店に対する印象が変わって、記憶に残るはず。

お客様の名前を覚えたり、変化に気づいたり。できることから一人ひとりのお客様と向き合っていくように、とスタッフにも伝えています。


「 一対一から生まれる感動」は、テイスティングトラベルや、あなたのコーヒーにも通ずるものがあると感じました。

cup of talk coffeeでは、一貫した想いをサービスに体現されている。
いつ季さん自身に芯があるからこそ、cup of talk coffeeはお客様に愛されているのでしょう。

ショーケースに飾られたアルバムは、お客様からのプレゼントだそう。
愛のこもったメッセージがたくさん書いてありました。
壁面にも、お客様からの温かいメッセージがたくさん。
cup of talk coffeeが、お客様にとって大切な場所であることが伺えます。

cup of talk coffeeの、これからについて

── 今後の目標はありますか?

目標でいうと、少し悩んでいるところではあります。

コーヒー好きになる人を増やしていくために、お店を大きくしたい気持ちはあるんです。

ただそうすると、今までやってきた「一対一で向き合う」ということが叶えられないかもしれない。

なので、どんどんお店を出していきたいみたいなイメージはあまり無いんです。

── いつ季さんのような想いを持ってる方が派生して、たくさんのお店で同じサービスができるようになれば、一番いいですよね。

そうですね。スピーディーでなくても、濃いものを伸ばすようなイメージでできたらなと。

何店舗かはわからないですけど、今後お店は増やしていきたいですね。

ただ、今やっていることは絶対に怠らないで続けていきたいです。

── ありがとうございました。

最後に

目の前のことをやり抜き、軸を持つこと。目の前の人に向き合い、あたたかな気持ちを忘れないこと。夢を叶えるために大切なことを、いつ季さんから学ばせていただきました。

素敵ないつ季さんが経営するcup of talk coffeeに、みなさんもぜひ行ってみてくださいね。

cup of talk coffee 甲東園店
アクセス:阪急甲東園駅から徒歩2分(東出口)
住所:兵庫県西宮市上大市1-10-14
定休日:月曜日
OPEN:10:00-18:30 / LO 18:00
公式HP
公式Instagram


インタビュー、執筆、撮影:朝川真帆


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