小説「北の街に春風が吹く~ある町の鉄道存廃の話~」第6話-②
・第六話 存続協議会 その三
「では、石井課長から提案のほどよろしくお願いします」
「はい。改めまして沼太町産業創造課の石井でございます。今日は瑠萌線の存続協議会でこのような場で提案をさせて頂けることを光栄に思います」
多少の高揚感はあったが、横田のおかげで自分が落ち着いていると感じることができた。
「我々は、鉄道については素人ですし、当然経営についてもしかすると見当違いのことを考えているだけかもしれません。しかし、昔から利用している鉄道が無くなることで一番困ること