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「脳性麻痺を知ってください」

以前の記事では、脳性麻痺という障害について概観的に説明した。

このnoteを初めてお読みいただいた方のためにあらためて説明しておくと、私には脳性麻痺という先天性の身体障害があり、食事や排泄など、身辺自立にかかわるほぼすべての場面で介助を必要としている。

20代までは両親とともに暮らしていたが、現在は神奈川県内の障害者向けシェアハウスに入居し、複数のヘルパーによるケアを受けながら生活している。

身体障害としては比較的ポピュラーな部類に入る脳性麻痺だが、未だ知られていないことが多く、介護のプロであるヘルパーでさえ誤解している部分も多い。

脳性麻痺の大きな特徴と言えば不随意運動である。より正確に言えば、脳性麻痺の中でもアテトーゼ型に多く見られる特徴なのだが、脳性麻痺全般に見られる特徴として理解しておいてもいい。

私の場合、花火や雷鳴など大きな音によって不随意運動(全身が意志とは無関係にビクンと動く)が誘発されるため、しばしば、大きな音そのものが苦手だと思われがちなのだが、それは少し違う。

不随意運動が最も誘発されるのは「突然の音」である。音のボリュームそのものはあまり関係ない。

言い換えれば、どんなに大きな音であっても鳴るタイミングが予告されていれば不随意運動を最小限に抑えることができる。反対に、小さな音であってもタイミングがわからなければ不随意運動は大きくなってしまう。

だから、たとえばどんなに大音量であっても、一定の音量でヒップホップやパンクロックが鳴りつづけるライブ空間(そんな場所があるのか)は意外と平気である。

花火や雷鳴はタイミングや音量が不規則だから苦手なのだ。ただ、同じ雷鳴でも夜間の雷鳴は稲光によってタイミングが予測できるため、意外と怖くない。

もっとも、不随意運動はその時々の精神状態に強く影響されるので、数学の方程式のように「この条件がそろったからこうなる」と明確に説明することは難しい。

自分の障害についてあらためて文章にまとめることで知識の整理につながる。今後も気づいたことがあれば載せていきたい。

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