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「あまりにも突然すぎる報せ」

「大食い魔女」、菅原初代氏が亡くなった。

享年、59歳。大腸がんによる突然の死。私自身、「TVチャンピオン」、「水曜日のダウンタウン」などで時折彼女の活躍ぶりを目にしていただけに、このニュースは少なからずショックだった。

……とは言いつつ、もしも彼女の亡くなった原因が心不全や脳梗塞だったなら、失礼ながら、それほどの感慨は起こらなかっただろう。

「大食い」と「大腸がん」という言葉の結びつきがあまりにも生々しく、記憶の奥底にいつまでも沈殿しているのである。

旅行ジャーナリストとして世界中を旅してきた兼高かおる氏は、膀胱がんで亡くなった。

彼女は生前、とある雑誌のインタビューで、「旅先での取材中はトイレがめったにないし、オムツをするのも嫌だから、丸一日、トイレを我慢することも珍しくなかった」と語っている。

菅原氏の大腸がんと、兼高氏の膀胱がん。病気の原因は複雑だから、必ずしもライフスタイルと結びついているわけではないし、ましてや、自業自得などと言うつもりはない。

そして、私。

脳性まひの当事者は内臓の劣化が人よりも激しく、そのため、平均寿命も短いと言われている。さらに、個人的にいえば幼い頃、心臓病の手術をしているから、心筋梗塞などによる死亡リスクは人よりも高いかもしれない。

もちろん、そのことをことさらに悲観しているわけではないし、現状、すぐ目の前に死が迫っているというわけでもない。

だが、それでもやはり、菅原初代氏の早すぎる死は、私の意識を「いつか死ななければいけないという現実」へと否応なしに引き寄せるのである。

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