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「キレイゴト抜きの遺伝学」
安藤寿康(じゅこう)著「教育は遺伝に勝てるか?」読了。遺伝学のスペシャリストの観点から、「才能は遺伝か、努力か」という永遠のテーマにこたえを出した1冊。
中学校の理科でおなじみの「メンデルの法則」を下敷きに、遺伝の基本的な仕組みや遺伝子が及ぼす影響の割合について解説が進んでいく。高度で専門的な内容ながら、小中学生レベルの知識を前提として解説が進められるため、理系オンチの私でもそれなりに理解できた。
「才能や能力において遺伝の影響は決して無視できないが、すべての遺伝子が影響するわけではなく、環境や努力の効果も大きい」
最終的な結論はありきたりで目新しさはないが、遺伝学を知り尽くしたスペシャリストの言葉であるからこそ、解説のひとつひとつに説得力がある。
遺伝というキーワードではやはり、「障害は遺伝するか」という問題を無視することはできない。現在のところ、脳性麻痺は後天的な障害であり、遺伝的な要素は否定されている。
しかしながら、今後の研究によっては脳性麻痺もパターンによっては遺伝の可能性が発見されたりと、状況が大きく変わる可能性は否定できない。
遺伝については、今後もさらに深く掘り下げていこうと思う。
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