初めての賃上げ交渉

バンクーバーに来てから日本語教師をしている。
2時間で30ドル、生徒の言い値でのスタートだった。
しかし、スタート時に16.75ドルだったバンクーバーの最低賃金は17.15ドルに上がり、このままの料金でいいのだろうかと考えていた。
といいつつ、安い値段で頑張って授業をする自分に酔っていた節もあり
友人に不満を言いつつ賃上げ交渉はしてこなかった。

それを行動に移したのは香港人の知人に現状を話したときだった。
私が日本語教師をしているというと
彼女は
「ぶっちゃけ稼げるでしょ」
と言った。
私は
「いや、全然。最低賃金以下だよ。日本語教師の資格も持ってないし笑笑」そういうと、彼女は非常に驚いた顔をした。
「え??実は私は英語教師を副業でしているけど、英語教師の資格なんて持っ てないよ。香港でもトップ層だったかと言われれば違うし」

話を聞くと彼女は一時間で、50ドルほど貰っているらしい。
大体、カナダの医療従事者の時給と同じくらいだ。
正直驚いたがそれぐらい貰う人がいてもおかしくないなと思った。
日本でもマンツーマンのレッスンは高い。ましてはここはカナダである。
彼女は私にこんな話をした。

まとめると以下だ
・香港で六年間家庭教師をしたが毎年賃金交渉をしていた。教師としての歴も上がるから当然。
・私が低い賃金で引き受けると他の日本人も低い賃金で働かされることになる
・生徒が最低賃金以下の労働を当然だと思っていると、あなたが辞めたあとに新しい先生が見つからないと思う(誰も最低賃金以下で働きたくないから)

つまり私が最低賃金以下で働くことは、私自身だけでなく、他の日本人、そして生徒自身にとっても悪だということだった。

私はこの演説に深く聞き入ってしまった。本当にそのとおりだと思ったからだ。

なので、今日交渉してきた。
最初は30ドル→40ドルで交渉したがうまくいかなかった。
最終合意は35ドルである。
1時間辺り17.5ドルなので最低賃金を少し上回った程度だ。
でも正直、すっごーーーーーーーーーーーーーーい嬉しい。
嬉しすぎて、35ドルに上げられたから7月2日は賃上げ記念ってストーリーに上げようとした。(生徒と相互フォローしてるから止めたけど)
値段が上がったことはもちろん
自分の価値を信じることができたことが本当に嬉しい。

実は、日本人に2時間で30ドルで日本語教師をしている話をするとほぼ100%いいね!と言われていた。
日本人の感覚だと2時間で3000円超えは悪くないからだ。
そのあと

最低賃金を割っていること
→日本で他言語を対面マンツーマンでならうときに1時間1074円(東京の最低賃金)以下で習えないこと

これを伝えてようやく、
賃金を上げてもらったほうが良いのではという反応になるのだ。
ここまで話してもなお、お小遣い稼ぎにはいいんじゃないという反応の人もいる。だから、いままで文句をいいつつ飲み込んでいたふしもある。

私達、日本人は自分たちを安売りしすぎているのだと思う。

もしも日本語教師を始める方がいたら、絶対に最低賃金以下で働かないでください。もっと自分の力を信じてください。私たちはネーティブスピーカーです。一時間で20ドル以上とって何もおかしくありません。私も賃上げ頑張ります。


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