マガジンのカバー画像

お気に入りnote

177
なんとなくいいな、の世界
運営しているクリエイター

#現代詩

ラブソングだってばよ

人工透析の平均寿命は40代で20年だから健常者に比べて約半分
つうことは嫌いな奴と関わったり
嫌いな奴のこと考えてイライラしたり嫌いな奴に話合わして
あいづち打ったりそういう時間が
とてもとてももったいないよ
好きな人だけと過ごしたい
好きな人を笑わしたい
こちょこちょしてでも泣き顔を
笑い顔に変えたい
空は飛べないけど
目からラブラブビームぐらい出したいな
詩人だからこそ言葉なんか過信しないで

もっとみる

全方位肯定

どうせ分かり合えないなら
もう傷つけ合わなくていい
そこには神はいないから
高い壺は買わなくていい
親が子を愛さないなら
子も親を愛さなくていい
世界があなたを愛さなくても
あなたはあなたを愛さない
理由にはならない
信じられない自分を怖がらなくていい
許せない事は許さなくていい
自分を見失ったら無理矢理自分を探さなくていい
探すのをやめた時に案外みつかるから
そんなに動揺しなくていい
哀しみだか

もっとみる

そんなに明るくしなくていいよ
全部みえちゃう
全部バレちゃうよ
なんか無理矢理消毒されたみたいで 居心地悪いよ
落ちたって食えよ
3秒ルール知らねーの
もったいないお化けくるぞ


怖がるために怯えるために
生まれてきたわけじゃないと
伝える為に
ここで
何千年もあなたを待っていました

詩 「無題」 

詩 「無題」 

だれかの暴力に愛がこわれた

だれかの暴力に愛をさがした

だれかの暴力に愛をみつけた

詩 「み母」

詩 「み母」

祈りを捨てたとき

あなたとの対話がはじまった

花冷え

今年は桜の開花が早まるらしくて
だからって子供みたいにはしゃげないけど 気分はまんざらじゃないよ
ただぼんやりと怠惰 きのこの山のチョコだけ食べて窓からかたちだけ
すねてすてる 
わたしが書いたこの詩の束も窓外に
放り投げたアスファルトの上に
花見客を乗せた観光バスがそれを
踏んで デブが乗ったN-BOXがそれを踏んでへんな服きた小型犬を乗せた
プリウスがそれを踏んで
どんどんどんどん千切れてぺら

もっとみる

執拗な「る」攻撃でバグる

小麦粉を水で伸ばしてタマゴ一個割って
フライパンで焼くんよ 父親が機嫌のいい日曜日の朝に作ってくれたんよ
マーガリンと練乳かけてさ食べんのよ
モチモチしておいしいね 貧乏くさいからってよく笑われたっけ 誕生日会に作ったら吉田くんにケーキじゃないのって
笑われたっけ エンガチョされたって
ブランコで靴飛ばしいつもオレが1番だったし駄菓子屋でベビースター
くすねたら
もうしちゃだめだよって
見逃してく

もっとみる
詩 「君の中」

詩 「君の中」

ブランコがゆれると

見上げた空もゆれた

光ばかりがひろがり

君の中にいるみたい

神は死んだとニーチェは言ったが
それで逃げ切れると思ったのか
みつけたら絶対に腹パンな
とりあえずファンタグレープ
買ってこいよ
10秒で

詩 「海の砂」

詩 「海の砂」

君に沈んでゆく僕は

意識が、薄れ、薄れ

遠のく空は、白い色

このまま君のそこまで

被写体

私の人生には関係のない人達が
乗った飛行機 
透析のバスを待ってる私の頭上を
マッハのスピードで飛んでゆく
無事を祈る余裕があるから大丈夫
揮発性が高い良心を捕まえる為に
網を張る行為 純度の高い怒りや哀しみで糸を編んで編んで傷ついた過去を忘却の淵から引きずってきては
錆びた乾電池の味がする七転八倒の業も編み込んで
犬死にしていった詩人の骨を拾う

他人の善意にも警戒心を怠らず
ただ傷つく事が怖か

もっとみる

宝箱だと思ったらミミック
そんなんばっかかこの世界も