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世間は狭い

昨日2年前に一度だけ会った人に再会した。


その人は私とはうんと歳が離れていて、これが大人の余裕かと感じさせるような落ち着いている人。

黒髪の癖のあるウルフカットに指にはたくさんの指輪をつけている。昔アクセサリーを沢山身に纏う人は自信がない人の現れってどこかで聞いたから、もしかしたら本当は小心者なのかも。



その人とは趣味の映画で意気投合し、2年前の2月くらいに会った。その時見たのは樹海村だったかな?

映画までは時間があるので、ランチに古民家カフェでホットサンドとレモネードでお腹を満たした。それでもまだ時間があるので、はじめて昼からお酒を飲んだ。


ほろ酔い状態で見たホラー映画はファンタジーSF映画かと思えた。


映画の感想を話し合うためにまた飲み屋に行った。
かなり酔っ払い、帰りに家で映画を観ないかと誘われたが、この人にはなんとなくだけど、これからも幻想を抱いていたいと思ったため断った。


それから何度か好きな映画をおすすめしあい、これはどうだった、ああだったと感想や考察を述べあった。


彼と会ったのはその一度きり。私にいい人ができて、(実際にはダメ男にひっかかったのだが、これはまた今度話すことにする。)彼との連絡を絶った。




それから2年後の昨日、見覚えのある髪に指にはたくさんの指輪をはめたオシャレな人にローファーの試着をしていいか聞かれた。


「突然ですけど、映画ってお好きですか。」


あの人だった。
ナリタ(仮名)さんって言うんだって。


名前初めて知ったかも。



2年経った今、その人には結婚を控えた彼女が居て、私には結婚したいと思える大切な人が居る。


正月2日の慌ただしい店の中に穏やかな時間が流れた。



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