〜僕の野球②〜
高校3年間で甲子園で春夏通算9試合を戦った
母校が甲子園に出場してくれたお陰で
アルプススタンドで応援という名の戦いを
9試合も楽しむ事が出来たのだ♪( ´θ`)ノ笑
そう、これは僕が野球部員として出場した話ではなく
いち生徒がアルプススタンドで青春を謳歌したという話
選抜出場の知らせは突然だった
甲子園の常連として名を馳せたのも過去の話
何年ぶりの出場だろうか
いわゆる“古豪復活”の狼煙が上がった
結論から述べると
選抜は甲子園で3試合を戦った
でも鮮明に覚えているのは3試合目だけ
まだまだ肌寒い3月の雨の中
力の限り声を出していた
学ランに染み込む雨など気にすることなく
ただひたすらに勝ってほしいと
夏の選手権
当時の参加校数は全国約4000校
※[近年は約3600校前後]
その中から予選を勝ち抜き
各都道府県の代表として出場できるのが
49校 パーセントにしておおよそ1.22
※[都道府県ごとに参加数が違うや激戦区云々は割愛]
なかなかの狭き門だ
その狭き門を母校はこじ開けた
春の雪辱を晴らすべく教職員生徒総動員で(笑)
そして街のいわゆる“オールドファン”も皆んなで
甲子園に乗り込むぞ♪( ´θ`)ノ
長い長いバスの車列はまるで戦地に向かう…
いや、こういう表現はよくないな(;_;)
とにかく気持ちは自然と高揚し
ほどよい緊張感とそれ以上の“期待感”に包まれていた
車中では
この大会の為に作曲された※学校オリジナルの応援歌がいくつか発表され、合いの手を入れるタイミングの練習をした
※[この応援歌は今でも甲子園で鳴っている(笑)]
夏のアルプス
現代ほどの猛暑ではないとは言え当時も暑かったはず
でも覚えていない
たぶん自分が“熱男”になっていたからだ(笑)
そして母校の快進撃が暑さを忘れさせてくれたのだ
ただ快進撃と言っても嬉しい誤算ではなく
予定通りのそれ
バスで感じていた“期待感”とはこの快進撃のこと
この大会
本気で日本一を目指していたし獲れると思っていたから勝ち上がるたびに増していく勢いと現実味
もう負けない、と思った
夏、6試合目
通い慣れてしまった(笑)甲子園までの道
一本の長いバスの車列のはずが、この時は横一列に並んで相手を飲み込まんとする大きな波の様に感じていた
先制を許した試合
逆転打となる打球が外野へ飛んだ瞬間
走者が本塁へ帰ってきてベースに触れた瞬間
コマ送りの様な感覚と
耳に入ってくる歓喜と
揺れるスタンドと
雄叫びを上げる自分が一体となった
9回裏最後の攻撃
死球を受けた打者が
グランドにバットを叩きつけ
マウンドを睨みつけた
高校野球でこんな行動を見たのはこれが最初で最後だ
制止する主審
落ち着きを取り戻し
脇腹を抑えながら一塁へ走る打者
彼の気持ちが痛いほど解った
最後になるかもしれない打席で
バットを振ることが出来なかった
僕はアルプスで泣いていた
次の打者へありったけの声を出しメガホンを叩いた
試合終了からどれくらい経っただろうか
スタンドの一般客はほとんどいなくなっていた
赤色の首掛けリボンをぶら下げる相手校と
紫色の首掛けリボンをぶら下げる母校の部員達
マウンド上
バックスクリーンを背に最後の記念撮影
36人の部員達は笑顔だった
そして僕も笑顔で何度か頷いた
場内に響く“栄冠は君に輝く”
そこには勝者も敗者もなく
最後に残った2校にだけ見えるものがあった
翻って、世界一奪還で閉幕したWBC
数日前の感動も
20数年前の感動も
自分にとってかけがえのないものだ
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