見出し画像

物流業界に飛び込んでみて思うこと

トラックドライバーになりました

 2024年問題などと今さらながら喧伝されているのだけど、そんなことは以前からわかり切っていたこと。ただ、これまでの慣習のまま回っているのように見えていたから、敢えて本質の部分には誰も触れてこなかったのだろう。

 別に自分はトラックドライバーになりたかった訳ではなくて、昨年からいろいろとやり始めたことが悉く上手く回らず、資金も底を尽いてしまったので現金収入確保を求めたというのが本音である。
 ともかくフリー…というか、ほぼ無職状態だと何が大変かと言われれば、国民年金の掛け金と国保税、それと住民税など諸々の税負担。まあ多少は減額になったり、免除されたりもするのだけど、収入の見込みが無いと容赦なく貯蓄額が目減りしていく。やはり定期的な収入の確保、それと社会保険や厚生年金に加入できる正社員が一番ストレス無く、この状況に対処できると思ったのだ。
 しかし、ハローワークに再度通い始めたものの、提示される月額賃金はアルバイトに毛が生えた程度の募集しかない。フルに働いて、こんな月収じゃ生活できないだろ?みたいな金額だ。そんな中、ハローワークの相談員がこんなことを言う。
「クルマの運転とか、お好きですか?」
そう言いながら、ルート配送の求人を何件か出してきた。
 確かに運転そのものは嫌いじゃないし、なんなら一日中運転でも構わない。それまで運転を仕事にすることは考えていなかったが、それもいいかなと思い始めた。何より、提示されている月額賃金が他の求人よりも高い(笑)
 しばらく考えてみたが、思い切って運送会社の求人に応募してみることにした。履歴書持参で面接に行くと、一度配送トラックに体験で乗ってみてから決めて欲しいと提案してきた。何でも座学やら健康診断やら適正診断など、散々やってもらった挙句「やっぱ無理…」という方がいるらしい。無理なら無理で、手続きを進める前に判断してもらいたいとのこと。運送業界は思ったよりもブラックじゃないなと思った。
 体験してみて何とかできそうだとなって、なんやかんやで入社が決まった。最初は冬季間で道路状況もあまり良くないので、慣れるまで近場の配送をやることになっていたのだが、諸事情により毎日のように県外まで往復することになった。元々、中距離での配送を希望していたので別に不満は無いのだけど、結局、仕事に慣れるも何も毎日300キロ超、往復7時間半ほど運転している。それに荷積みと荷下ろし作業でおおよそ2~3時間、拘束時間は10~12時間、これをどう捉えるかだよね。
 それにしても免許が総重量8トン中型限定なので、大型は運転できない。求人には「4トン車での配送業務」とあったので、すっかり総重量4トンの方を想像していたのだけど、これが大きな間違い(笑)4トン積載の総重量8トン中型トラックは思いの外デカかった。それでも「運転できます」と言ってしまった以上、引くに引けないので、半日ずつ2回の実地研修と、1週間ほどの二人乗りでの研修を経て、昨年末から単独運行となったのだった。

深夜から明け方の景色

 現在担当しているのは、日付が変わった頃に出発して午前中には帰って来るルート。考え方も人それぞれだろうけど、なんとなく一人で運転しているのは性に合っているように思う。同じルートでも、道路状況は毎日のように違うし、トラックの運転は意外と面白い。何よりも余計な気遣いをしなくて済むのは気楽だ。
 改めて感じるのだけど、世間一般が動き始める前に、一日の業務に必要な物資を届けなければならない訳で、深夜から夜明けを挟んだ時間帯の路上は配送トラックの世界である。コンビニの棚に並べるための商品、外食産業で使う食材、工場で製品に使う原材料等々、運んでいる物品も多種多様だろう。自分は某チェーン店の食材を配送センターから個々の店舗に納品する業務を行っているのだけど、1台で全ての店舗を回れるはずもなく、複数台で3~4店舗を回るパターンだ。最後の納品が終わるのは早くても午前9時過ぎ、運ぶ品物が多いと、それぞれの店舗で10~15分程度余計に時間がかかるので、それを見越して時間配分を考えないと、最後の店舗への納品が遅れてしまう。ルート確認を兼ねて二人一組で何度か回っていたのだけど、いざ一人になった途端に年末進行に入って運搬物が倍以上に増えたのには参った(笑)
 正月も休むことなく仕事していた。これまでの社会人生活で年末年始が休みじゃないのは初。それでも年越しそばは家族と食べたし、元旦は初詣に行ってお雑煮も食べた。いつもとは違うパターンだったけど、とりあえず昼前ぐらいに帰ってくれば、あとは夜半過ぎに出発するまでは自由に使える訳で、そこらへんは助かった。
 運転している時間帯が時間帯なだけに混雑とは無縁。8トン中型とは言え、それなりの大きさがあるので運転には気を遣う。一般車両が少ないのは有難い。
 周囲の景色を見ながら、いろいろと思うことはあるのだけど、それはまた次の機会にしよう。

この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?