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実録精神科病棟〜患者と看護師〜 プロファイリング番外編 天井プリンス

プロファイリング〜番外編〜
天井プリンス

*天井プリンスとは、約10年前19歳の入院時、隔離拘束の縄を緩くしてくれた、男性看護師である。

もう彼には10年以上、お世話になっている。もちろん患者と看護師として、医療的な関わりもあるのだが、それ以上に、人と人としての関わりを持ってくれている。私自身、一番調子が悪かった、初めての入院のときの関わり方に、それを強く感じた。それは病状が酷い中で、看護師として側で支えているのだが、その中で、人としての本来の優しさや、彼自身がする行動に、見守り支え、そして励ましてくれるような、そんな行動があった。そこからは、人と人として接してくれているようにも感じ、私の辛さを理解し、私を掬いあげてくれる、そんな彼の懐の深さも感じるのだ。そんな彼とは、何度も入院でお世話になっているのだが、その度に彼が、冷静に物事を捉える視点を教えてくれる。家族との問題でも、例えば、同居している祖母が、私が症状が出てしんどいのにご飯を食べてと要望をする、と投げかけた。私自身は辛く、なぜ祖母は私のしんどさを解らないのかと、苦しかった。そんな私に、彼は、ご飯を作った身からすると、あったかい内にすぐに食べて欲しいと思うもんだよ、と相手の気持ちを、そっと教えてくれた。相手がいることだから、相手の気持ちを考える。そんな人間関係で、一番大切なことを彼から教わった。そんな彼の教えから、物事を多角的に捉える力が必要なんだと、勉強になった。そんな、いつも大切なことを教えてくれる彼だが、よく話が弾む話題がある。それは体型のことだ。私と彼は、10年の流れた月日の中で、20キロ近く体重が増えた。太ると、激変した姿を見せるのが嫌で、友達に会いづらい。太ると、お腹が邪魔で爪が切れない。お互い、太るとあるあるエピソードを披露し、その日は大爆笑した。いつも、どんなときも、楽しくお話ししてくれる、そんな彼と、また話したくて、私はまた、彼に話しかけるのだった。

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