読書感想 ①教育は遺伝に勝てるのか❓

教育は遺伝に勝てるのか? の結論は何だろう。

答えは
遺伝は教育に負けるほど弱くない、とのことで遺伝は強いものなのだとのこと。
結局、生まれ持った遺伝で学力が決まるのか、とショックを受けた。

でも、著者は
遺伝というものをこの世界で形にしてくるのが 教育だよ、と教育の必要性を訴えている。
教育というものが遺伝的素因に文化的環境を与えてくれるからこそ
遺伝が表現される場が作り上げられるからである。
そして、教育が本来果たしている恩恵は学校の先、つまり子供の人生そのものにあると著者は伝えている。
そうか、私たちがもつ遺伝子は教育(学校や家庭での)と重要な関係性があるのだと気づけた。

親がどのように育てようと、子供一人一人は親からもらった遺伝的素因を通して取り入れられるものを取り入れ、そうでないものには距離を置いてその子自身の心で自分の人生を築き上げていくのだよ、との文章で親としては子育てに冷静になれることができたと思う。
同じように育てているのに、それぞれに個性が出ていて面白いし、それもまたその子が選んだ道なのだと納得してしまう部分も出てきた。

しかし、行動遺伝学の視点から自由な社会が突きつける問題の部分では、
家庭の裕福さとそれに伴う文化的資源のアクセスの幅の広さが遺伝的な差異を増幅させているとのこと。
せっかく良い遺伝をもらっても、格差社会による貧困がその能力を活かしきれないことに繋がるのだと思った。それは少子化の日本にとっては大変な損失問題。
行動遺伝学が貧困問題の支援の必要性も訴えている。

親にこうあるべきよりも、親がもっと努力するべきことの方が大切!
その親自身がどのような生き方をする人間だったかという所を強く訴えている。
親の関わり方よりも、親が一人の人間としてどういう生き様を見せるかを大切にして生きて生きなさいと。
深く考えさせられるな、と自分自身を見つめ直しどう生きようかと考えてしまう。

子供の好きを大切にしよう!
「そもそも個性的であること、何らかの才能を発揮すること、志を持って人生を貫くことをよかれと考えること自体が、一時の流行に過ぎない。
ボトムラインはまず生き抜くことである。それすら大事業。
個性や才能や志は、その人の時代と環境で見つかる人もいれば見つからない人もいる。
それは遺伝と環境の条件の偶然が生み出す必然である」

著者がおわりに、
遺伝をこの世界で形にしてくれるのが教育だ、
教育なしに遺伝が姿をあらわさない、というメッセージが伝われば大成功と言っています。
私が初めに本のタイトルの答えを出していましたが、
この感想を書いていても、なるほどなと納得した。

自分の子供たちが遺伝子をうまく活用して能力を発揮できるように、
私自身、いろんな勉強をまだまだしていこうと思う。
子供に親として大人として
まだまだ勉強をしている姿を見せていこうと思えた。
そしたら子供なりに何かを考え、この良い遺伝子能力を教育環境を与えつつ好きを発揮できたら良いなと思えた。
どう育てるかよりも、家族一人一人がどう生きるかが大事なんだと思えた。

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