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デニソワがロシア人の犯罪を捏造し、失脚するまでの経緯

6月27日 ウクライナ・プラウダ:

5月末、ウクライナ議会は人権委員(オンブスマン)リュドミラ・デニソワを力ずくで解任しました この解雇は、一般人にとって、不愉快な驚きだったでしょう
しかし、発信者側としては、意外な結末ではありませんでした

この歴史の大部分は、世間に知られることなく放置されてきました
その理由は理解できます
当然ながら、今日のウクライナにとって不愉快であり、受け入れがたいものだからです
そして、戦争という条件下では、国家にとって大きな不利益になる可能性もあります
しかし、それは重要なことです

ウクライナは正直に、誠実に戦うべきです
ウクライナは、その過ちを認め、罪を犯す者を罰することができます
そして、それこそが、私たちと敵との違いなのです
従って、この物語を伝えることも、私たちの義務なのです

ウクライナ・プラウダは、ウクライナに有害な、同じ道を歩む誘惑にかられる人たちに警告する為にもこの記事を公開します
そのような事をしても、戦争に勝つ手助けにはならないからです
この記事は、ロシア人がウクライナでレイプを犯しているという事実に疑問を挟むものではありません
この問題に関する虚偽の証言は、敵を利するだけなのです
個別の事件での証拠の欠如は国際法廷におけるウクライナの立場を不利にする可能性があります

ロシア軍の占領のシンボルとしての性犯罪

3月9日のことです
ロシア軍がキーウの一部を占領していました
夕方、ロシア兵ミハイル・ロマノフらが、ブロバルスキー地区の小屋の主である民間人を射殺しました
そして彼らは33歳の妻をレイプし始めたのです
1時間半の間、酔った兵士たちが何度も

その後、占領から逃れ、彼女はジャーナリストと話をすることになりました
彼女は、ロシア人に虐待されている間、4歳の息子はボイラー室に隠れていたと話しています
そして彼女は、殺害された男が侵略者にナチスと呼ばれていたことも証言しています

現在、この事件はすでに訴追されています
6月末に彼女の話を聞き始めました
ロマノフは欠席裁判にかけられています

この話は多くのメディアに広まり、世界に衝撃を与えました
レイプは、ロシアの占領の特徴の1つとして、パブリックに定着しました
6月末現在、警察は20件の同様の調査を開始しています

「このような事は少なくありません
第一に、これらは沈黙と恥の犯罪です
第二に、ウクライナの捜査官は多数の戦争犯罪を調査しています」

数字が実際の犯罪規模を反映していない可能性があると理解することは重要なことです
まず、法執行官はさまざまなエピソードを1つの事件にまとめることができます
さらに、犠牲者は恐怖、ストレス、恥のために話をしません

現時点では、ロマノフ以外に、他の事件にも登場する、 2人の容疑者が特定されています
調査によると、そのうちの1人はキーウ地方で他の女性にも暴行を加えたといいます
もう 1人は、チェルニヒウ地域で未成年者を長期間にわたって脅し、レイプしています

戦争が始まって以来、ほとんどすべての政府機関が占領者の犯罪を記録し、犠牲者を支援してきました
特に、オンブズマンのオフィスがそうです
彼らはホットラインを立ち上げ、24時間体制で働きました
人々からいろんな問い合わせがありました
行方不明の親戚について、避難シェルターに入る方法について、ロシア軍の残虐行為についてです

記録は言えませんが、オフィスの従業員は
「電話をとれる人は全員電話を受けている、1日に何十本も電話がかかってくる」と話していました
技術的サポートは、以前から協力のあった国際機関ユニセフが担当しました
現在、電話機やサーバーなどの設備を追加で用意しています
公式データによると、2月から5月にかけて、オンブズマン事務所は5万人以上の電話を受けました

デニソワと彼女の娘がホットラインをねじ曲げた

3月末に、デニソワは追加のホットラインを立ち上げることを決定しました
スタッフを解放し、難しい案件をプロに任せようとしたと言われています
4月1日からカウンセリングのための電話が設置されました
ユニセフの支援を受けた正式プロジェクトとしてに発表されました
このホットラインは5人のプロの心理カウンセラーがいると発表されました
最初の2カ月間で、すでに400人からの助けの求めがあり、そのほとんどが性的虐待について話しているとされています

オンブズマンのオフィスは、ホットラインを率いる心理学者を紹介しました
アレクサンドラ・クヴィトコです
この女性はウクライナとロシア・メディアに繰り返しインタビューを行い、レイプの恐ろしい話をしました

その後、オンブズマン事務所の公式ページやデニソワの発言に同様の話が登場するようになりました
母親の前で少女が虐待され、小さな子供をティースプーンとろうそくで拷問したりといった、聞くに堪えない恐ろしい話ばかりです
5月、デニソワはダボスで開催された世界経済フォーラムを訪れ、占領者の恐ろしい犯罪について毎日何百人もの人々が証言していると説明しました

その詳細な内容は、被害者のプライバシーの観点から議論を呼びました
そして、犯人の残虐性におびえたジャーナリストたちによって、この事件は調査されました
しかし、ジャーナリストたちはその根拠となるものを見つけることはできませんでした

当時、ウクライナのメディアは、言葉を慎重に選び、リュドミラに言葉を慎み、未確認の情報を公表しないよう求める集団アピールを行いました

しかし、デニソワの物語は、国民生活の全体像のエピソードの一部にすぎませんでした
そのため、彼らの信憑性の問題は長い間あまり注目されていませんでした

デニソワの部下が最初にひどく疑いました
事務所にいるウクライナプラウダの取材源によれば
「性暴力被害のホットライン」はオフィスの他のすべての仕事と大きく異なっているそうです
主に不透明性の点で違いがあります
メインのホットラインのオペレーターは、かかってくる通話を全て録音しています
そして、彼らは彼らの上司に業務を報告します
同僚たちは、誰が何をしているのかを把握しています
定期的に犯罪の証拠は法執行官に提出され、それらの数字はチェックされています

しかし、オンブズマン事務所のスタッフたちは、アレクサンドラ・クヴィトコの仕事については何も知らないのです
誰がどのくらいの頻度で彼女に電話をかけたか、これらの電話が録音されたかどうか、被害者にどのような支援が提供されたのか、などです

また、クヴィトコと一緒に仕事をした心理学者も不明でした
実際に存在したのでしょうか?
これは、事務局が今も問い続けていることです

しかも、デニソワが「ユニセフの心理学者」と呼んでいた人たちは、正式には普通のオペレーターたちでした
これは、ウクライナ・プラウダの要請を受けて、ユニセフ基金自身が確認したことです

しかし、クヴィトコのそういう不自然な存在自体は、オフィスの従業員にとって不思議なものではありませんでした
彼女はその部門でよく知られていたからです
クヴィトコはデニソワの娘だからです
これは、公式のプレスリリースにも記載されています

クヴィトコは、少なくとも 3年前から母親の施設の仕事に「参加」しています
彼女のFacebookページで、オーストリアへの旅行に関する2019年の投稿を見つけることができます
それは、ウクライナから欧州の同僚オンブズマンへの訪問のときのものでした
政府の職に就いていない心理学者が同行したのです

同じ 2019 年に、クヴィトコは子供の権利に関するフォーラムの司会を務め、SNSでも発信しています
フォーラム主催者の中に、Denisova's Office と UNICEF が含まれています

実際、デニソワは国家権力を利用して、戦争中に娘に仕事を提供しました
正式には、ここに利益相反はありません
クヴィトコがデニソワの部下として契約するのではなく、ユニセフと契約を結んだので、利益相反にはならないのです

デニソワとその娘が公で行った虐待の話は、法執行機関には報告されていません
被害者の連絡先もです

法執行機関、オンブズマン事務所、サーバント・オブ・ザ・ピープル(Servants of the People)の管理職の3つの筋から、一様にそう言われました
デニソワの部下がこの問題を提起し、奇妙な行動の理由を理解しようとしてリーダーに質問しました
ウクライナプラウダの情報筋によれば、彼女の返事は「私たちは情報戦を戦っています」というものだというのです

取り調べ

デニソワの発言の中には、児童レイプについての多くの話がありました
これにより、彼女は少年検察官と共に仕事をすることになりました
しかし、検察庁のウクライナ・プラウダの取材対象は、4月に確認された児童虐待1件だけしか記憶していません
6月中旬の時点で、その数は2つになっています
その間、デニソワは次々に新しい話をしていました
そこで、法執行機関も独立して彼女を「掘る」ことを試みはじめました
デニソワが説明した事件を見つけようとして、医師へのすべての訴え、警察への声明、死者に関するデータを調査しました
例えば、オンブズマンの言う、レイプで亡くなった2歳の双子を見つけるために、すべて調べたのです
しかし、これらの作業はすべて無駄でした

検察は、デニソワの情報源を探るため、彼女を証人として尋問にかけました
しかし、法執行機関に対し、彼女は口を閉ざしたのです
彼女は、データの出所を挙げられませんでした

その後、2回目の尋問の中で、文字通り彼女の釈放の前夜になって、デニソワは彼女の娘から聞いたものだと認めました
しかし、ホットラインを受け持つ他の心理学者たちから話を聞いたかどうかは思い出せなかったそうです

クヴィトコも尋問のために何度か召喚されました
ウクライナ・プラウダの調べでは、この心理学者は 1か月半でホットラインで約1,040件の電話を受け、これらのうち、450件が児童レイプに関係していたことになっています
しかし、公式に検察が記録を調査したところ、全期間を通じ、92回しか通話をしていないことが判明したのです

クヴィトコは、誰が電話してきたのか、どの医師を紹介したのかなど、詳しいことは教えてくれません
被害者が実際に存在したことを示すものは何も無いのです
しかも、この心理学者は、その物語を「お茶を飲みながら」母親に報告したといいます

ウクライナ・プラウダの情報筋によると、デニソワは、同僚が聞かされたのと同じ言葉(「私たちは情報戦を戦っています」)を検察に繰り返したというのです

カメラが切られた時、「ウクライナの勝利を願い、このような恐ろしい話をしているのだ」と説明したのです
ウクライナ・プラウダはデニソワとクヴィトコの立場を許容できませんでした
オンブズマン・アシスタントを通じて彼女にコメントを求めたところ、最初は協力すると約束したものの、返事は来なくなりました

クヴィトコからは、「調査中のため、コメントは控えさせていただきます」と返事がありました

望まれた中途解任

同時に、高等政府機関にも影響がでました
大統領党の指導部のウクライナ・プラウダの情報源によると、デニソワの発言により、キーウは公式な問題を抱え始めたのです
欧州のパートナーたちが、ウクライナの法執行機関や議会に、事件や犯罪の証拠を求めたのです

特に、モナスティリスキー内務大臣には、そのような要請が直接的に影響しました

モナスティリスキー内務大臣

内務大臣には、欧州勢に応えられるものは何もなかったのです
オンブズマンが「逆ギレ」したからです

また「国民の僕」の情報筋によれば、デニソワは、彼女に議席を与えた党(注:ウクライナは完全比例代表制)の判断に従っていなかったそうです
彼女は、ステファンチュク国会議長と合意することなく、くだんのダボス・フォーラムに参加したというのです
それが、突然の解任の決定的な理由となりました

ステファンチュク議長

このような当局の突然の行動に、法執行機関は不安を覚えました
解任理由について、一般には説明されていなかったせいです
そして、一般的な法律では、戦争状態下でオンブズマンの権限を停止することは禁止されています

デニソワは、今年になってようやく法制化された全く新しい手続きで、不信任決議を経て解任されました

人権センターZMINAの代表であるタチアナ・ぺチョンチークは
「また、すべてが非常に不透明な中で起こっている」と憤慨しています
オンブスマンのポストについて正当な選挙もなく、法執行機関との協議も行われていないからです「また不透明だ」と彼らが主張するのは、人権活動家たちが常にデニソワに対して不満を持っていたせいです

デニソワは2018年に就任し、当時内務大臣だったアーセン・アヴァコフと親しかった
そして、2019年、オンブズマンは汚職スキャンダルに巻き込まれました

キーウ行政裁判所の所長のオフィスで録音された、スキャンダラスな、いわゆる「Vovkのテープ」の中にデニソワの名前があったのです
しかし、このスキャンダルでは彼女の解任には至りませんでした

タチアナは「デニソワは、有能で独立したオンブズマンではなかった」と言います
「4年前のデニソワの就任は、政党間の取引に基づく議席配分と手続き違反の中で行われた、極めて政治的な妥協の産物でした
デニソワが、法律で定められた法執行活動の経験がないことなど、どうでもよいものとされたのです」

では、忘れるべきか、罰を与えるべきか?

その答えは、オンブズマンとその娘の本当の動機次第でしょう
物質的な利益が動機の一つである可能性も否定できないのです
デニソワの事務所関係者は、デニソワがユニセフに、ホットラインの心理学者(クヴィトコ)の給与を上げるように何度か要請していたとウクライナ・プラウダに証言しています

このプロジェクトに割り当てられた資金についてのウクライナ・プラウダの質問には、国際機関(ユニセフ)から回答はありませんでした
まだ財務データは検察庁に提供されていません
ユニセフは捜査への協力に積極的ではありません
しかし、彼らが嘘によって騙され、利益を奪われていたのであれば、倫理的規範に反するだけでなく、不正行為または横領の刑事事件として法律違反の可能性もあります
よって、ユニセフは検察庁を支援しなければなりません
告訴状を書き、「デニソワの心理学者」が作成した報告書を提出させなければなりません
ウクライナ・プラウダの調べでは、そのような報告書が存在するようです

ユニセフは、この物語の主役たちと同様、まだ沈黙の道を選択しています
しかし、おそらく、ユニセフもこの物語の犠牲者であった可能性が高いと思われます

デニソワが奉仕していたはずの、ウクライナ国家も犠牲者です
もちろん、彼女の任命責任は国家にありますが
しかし、オンブズマンに嘘をつくように命じたわけではありません
デニソワの話は成功しないし、成功させようとする必要もありません
ウクライナは真実の側で戦っているからです
これ以上、我々がロシアを悪者にする必要はありません
ロシア自身がその仕事をしています
(終わり)

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