見出し画像

5月、アゼルバイジャン(2)

(3,697 文字)

Natig Jafarli

Natig Jafarli:Republican Alternative党の事務局長。親欧州派。

「アゼルバイジャンは、(2014年の)クリミア事件後も、常にウクライナの領土保全を支持してきました
これは、欧州評議会をはじめ、すべての国際的なプラットフォームにおける文書や投票において常に表明してきたことです
アゼルバイジャン自身が、その領土において分離主義問題に直面してきたからです
そこでアゼルバイジャンは、(2月24日の)事件発生からわずか2日後にウクライナへの人道支援を発表しました
アゼルバイジャンの国営石油会社が、ウクライナに緊急医療用の燃料を無償で供給することを発表しました
そして、一般的にアゼルバイジャン社会の90%、いやそれ以上が、領土、独立、領土保全のために戦うウクライナを支持していると言って間違いではないでしょう
つまり、この問題に関して、アゼルバイジャン政府はアゼルバイジャン社会の雰囲気を理解し、ウクライナが望むほどには公然とではないですが、ほぼ同じ立場をとっています
アゼルバイジャンは、このような環境で、一般的にウクライナに関する多くの問題でトルコと一緒に行動しています
アゼルバイジャンとトルコは、多くの問題、多くのステップで互いに相談し補完し合っています
比喩的に言えば、トルコにできないことをアゼルバイジャンがやっているのです
例えばエネルギー資源の援助などです
アゼルバイジャンにできないことを、トルコはやってくれています
だから、面白いタンデムです
親ロシア派野党の反対運動も一度もありませんでした
アゼルバイジャンは、常に『第五列(スパイ、裏切者)』と呼ばれるロシアの影響力を、政府の外ではなく内側に持っていましたが、2018年からこの数年のうちに、政府内部である種の放逐が行われていました
そして、ソ連共産党に忠実に仕え、その後スムーズにアゼルバイジャンに仕えるように移行し、クレムリン、モスクワと非常に良好で強い絆を持っていた人たちは去っていきました
アゼルバイジャン社会は、1990年1月20日のソ連軍によるバクー進駐、ロシア軍第36旅団の行ったホジャリの悲劇を記憶しているのです
ですから、親ロシアの立場を表明して、政治活動をすることは事実上不可能で、社会的に受け入れられませんでした
しかし、当然ながら社会とSNSの中には、何らかの形で、あるいは何らかの理由でロシアの政策を支持する人々もいます
その中には、例えば、家族の主がロシアでお金を稼ぎ、それをアゼルバイジャンに送っている人たちがいて、その点でロシアに経済的に依存していると感じているような人たちです
反欧米的な人たち、ロシアとウクライナの戦争ではなく、ロシアと欧米の戦争だと考え、そういう意味でロシアを支持する人も、数は少ないが、存在します
しかし、社会の主流、SNSの主流、メディアの主流の圧倒的多数がウクライナを支持しています
ウクライナがアゼルバイジャン社会から支持されているのは、正しく、防衛戦争を戦ってるからというだけではありません
これがソ連復活の野望の墓場になりうるし、なるべきで、クレムリンの指導者を引きずり下ろすことになるからだと、私は考えています」

モハマド・アサドゥラザデ

モハマド・アサドゥラザデ:アゼルバイジャン政治家。アゼルバイジャン国民戦線党副委員長、南コーカサス研究センター所長。
「ロシアのプーチン大統領がアルメニアとアゼルバイジャンの関係の正常化を阻止しようとしても、それを止めることはできません
ブリュッセル(EU議会)の調停任務は、南コーカサスからのロシアを撤退させることだと見なすことができます
『カラバフには問題がある』というプーチンの言葉は、クレムリンが国家間の平和実現を支持していないことを示しています
ロシアは30年間(アルメニアによる)領土の(不法な)占領を支持してきました
(ソ連崩壊の)地政学的な変化により、当時はまだロシアが強かったのですが、アゼルバイジャンは領土を解放することができました

そして、欧州連合と米国がミンスクグループの大失敗を認識した今、アルメニア指導部がアゼルバイジャンの5つの提案を受け入れ、関係正常化のプロセスが始まるのことを、ロシアには妨げることはできないでしょう

妨げるためには、アルメニアの指導者を変え、「カラバフ一族」をアルメニア政権に就かせる必要があります
それができなければ、クレムリンの行動は失敗する運命です
ロシア指導部はカラバフから『平和維持部隊』を撤退させることを検討すべきです
アゼルバイジャンは、短期的には、アルメニアを和平に追い込むでしょう
欧米はすでに代替案がないことに気づいています」

トゥラル・サファロフ

トゥラル・サファロフ: TNS Intelligence Agency 代表。アゼルバイジャンのインターネットニュースメディア。

トゥラル・サファロフは、ロシア軍のカスピ海からのミサイルによるウクライナ領への攻撃に関する情報について、軍事目的によるカスピ海の使用は「原則的に地域の安全に対する脅威となる」とコメントしています

「ロシアがカスピ海を軍事利用するのは、今回が初めてではありません
ロシアは、過去にも、カスピ海からシリアへ攻撃しました
ロシアは、一方に、カスピ海の平和原則を主張しながら、自分たちはそれを破っています
ミスや技術的な不具合で、発射地点に最も近い領土にミサイルが落下する可能性もあります
したがって、沿岸国はカスピ海を軍事目的に使用しないと最高レベルで合意しなければならないのです
アゼルバイジャンは、このような問題に敏感で発言力もあります
この件は、外交的にロシア側の注意を喚起することになりそうです
ロシアのナゴルノ・カラバフに関する偏った発言や一方的な姿勢に対するアゼルバイジャン社会の厳しい反応は、バクー(アゼルバイジャン政府)の行動に(国民が)満足していないということです
しかし、これまでは、公的には、アゼルバイジャンの抗議は内内に表現されてきました
ロシアは、この地域の国々や近隣諸国に対して脅威を与えるような行動を慎しむべきです
ロシアがカスピ海を軍事利用しないことを望んでいます
そうしなければ、地域の不安定化を招きます」

アヴァズ・ゼイナリィ

アヴァズ・ゼイナリィ:Khural新聞の編集長。2022年12月現在、恐喝の容疑で逮捕、拘束されている。本人はジャーナリズムに対する弾圧であると、欧州人権裁判所に訴えている。

「ゼレンスキーは世界秩序を変えました
彼は各国の国会議員からスタンディングオベーションを受けた
まるで、民主主義をレッスンする指導教官のようだった
『国の動かし方がわからないなら、ドアを閉めて出て行け』と言っているようでした
ロシアが負ければ、プーチンは去り、彼のチームのメンバーは非難されるでしょう
ロシアでは、プーチンを歴史のゴミ箱に送るような集会が数多く開催されるでしょう
新しい世界秩序を支配する主な候補者はゼレンスキーになるでしょう」

エルマン・マンマドフ

エルマン・マンドフ:アゼルバイジャン議員

-最近、分離主義者たちは、カラバフのロシアへの併合というテーマを議論しています
クレムリンのスポークスマンの一人マルガリータ・シモニャンも、アルメニア人を支援するこうした「考え」への支持を表明しています。
偶然の一致だと思いますか?


「アルメニアとアゼルバイジャンの紛争を誰が引き起こしているのかは今や明らかです
口先では平和と言いますが、実際には紛争を懸命に助長し、最終的な解決をさせません
彼らは地域での支配力を維持するために、自身の利益のためだけにこれを行います
そのために、ロシア軍の派遣団は毎日さまざまな工作をしています
彼らはアゼルバイジャンの法律を違反し、思いつくことは何でもします
記念碑を建て、教会を建て、カラバフにロシアのコミュニティを作り、時にはアルメニアの盗賊のグループを集めて巡礼者としてアルバニアの神殿に連れて行きます
人道援助を装って建設される施設もあります」

-ロシア連邦に参加しようという分離主義者の存在はどれほど危険でしょうか?

「もし、ロシアとウクライナの戦争がなければ、ロシアが2、3日でウクライナを占領していたら、不安材料になっただろう
ロシアが分離主義を支援することの災難は、誰もが知るところだ
今はロシアが今直面していること、ドンバスとクリミアに全世界の非難が集中しています
そのことは十分承知している
戦前ならば、プーチンは分離主義者の意見に従ったかもしれないが、今は自分たちのことで精一杯であり、プーチンは決してそのような過ちを犯すことはないだろう
これらは分離主義者の妄想であり、我々はそこに住むアルメニア人の夢を打ち砕くだろう
我々の領土から出ていくか、"それとも"..だ」

(終わり)

最後まで読んでいただいてありがとうございます😊
どうか「スキ」「ツイート」「シェア」をお願いします!
できましたら、感想をコメントで一言いただけると、ものすごく励みになります😣!😣!

サポートしようと思って下さった方、お気持ち本当にありがとうございます😣! お時間の許す限り、多くの記事を読んでいただければ幸いです😣